返り点、括弧、中国語(白話)。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

返り点、括弧、中国語(白話)。

(01)
(a)漢文の補足構造は、「括弧」で表すことが出来る。
(b)補足構造を除くと、漢文と訓読の「語順」は、等しい。
(c)漢文の補足構造を「集合数」で表した時、訓読の語順は、「順序数」である。
といふ「三つの条件」の下で、例へば、
我不必患己無位=
我不[必患〔己無(位)〕]=
17[26〔35(4)〕]⇒
1[2〔3(4)5〕6]7=
我[必ずしも〔己に(位)無きを〕患へ]不=
私は必ずしも自分に地位が無いことを気にしない。
といふ「括弧による、ソート(漢文訓読)」が、成立する。
(02)
7=囗囗囗囗囗囗囗
6=囗囗囗囗囗囗
5=囗囗囗囗囗
4=囗囗囗囗
3=囗囗囗
2=囗囗
1=囗
に於いて、
7は6を含み、
6は5を含み、
5は4を含み、
4は3を含み、
3は2を含み、
2は1を含む。
といふ際の、
7 6 5 4 3 2 1。
を、「集合数」とし、
1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、6番目、7番目。
といふ際の、
1 2 3 4 5 6 7。
を、「順序数」とする。
(03)
4321。
不患無位。
に於いて、
4 といふ「集合数」は、「321」といふ「三つの集合数」を含むものの、是を以て、
4(321)。
不(患無位)。
といふ風に、「括弧」で括る。
(04)
4(321)。
不(患無位)。
に於いて、
3 といふ「集合数」は、「21」といふ「二つの集合数」を含むものの、是を以て、
4〔3(21)〕。
不〔患(無位)〕。
といふ風に、「括弧」で括る。
(05)
4〔3(21)〕。
不〔患(無位)〕。
に於いて、
2 といふ「集合数」は、「1」といふ「一つの集合数」を含むものの、是を以て、
4[3〔2(1)〕]。
不[患〔無(位)〕]。
といふ風に、「括弧」で括る。
然るに、
(06)
4[3〔2(1)〕]。
を、「順序数」と、見なすならば、
不患無位=
不[患〔無(位)〕]=
4[3〔2(1)〕]⇒
[〔(1)2〕3]4=
[〔(位)無きを〕患へ]不。
といふ「括弧による、ソート(漢文訓読)」が、成立する。
(07)
1726354。
我不必患己無位。
に於いて、
7 といふ「集合数」は、「26354」といふ「五つの集合数」を含むものの、是を以て、
17(26354)。
我不(必患己無位)。
といふ風に、「括弧」で括る。
(08)
17(26354)。
我不(必患己無位)。
に於いて、
6 といふ「集合数」は、「354」といふ「三つの集合数」を含むものの、是を以て、
17〔26(354)〕。
我不〔必患(己無位)〕。
といふ風に、「括弧」で括る。
(09)
17〔26(354)〕。
我不〔必患(己無位)〕。
に於いて、
5 といふ「集合数」は、「4」といふ「一つの集合数」を含むものの、是を以て、
17[26〔35(4)〕]。
我不[必患〔己無(位)〕]。
といふ風に、「括弧」で括る。
然るに、
(10)
17[26〔35(4)〕]。
を、「順序数」と、見なすならば、
我不必患己無位=
我不[必患〔己無(位)〕]=
17[26〔35(4)〕]⇒
1[2〔3(4)5〕6]7=
我[必ずしも〔己に(位)無きを〕患へ]不。
といふ「括弧による、ソート(漢文訓読)」が、成立する。
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(06)(10)(11)により、
(12)
① 不[患〔無(位)〕]。
② [〔(位)無きを〕患へ]不。
③ 我不[必患〔己無(位)〕]。
④ 我[必ずしも〔己に(位)無きを〕患へ]不。
に於ける、
① [〔( )〕]
② [〔( )〕]
③ [〔( )〕]
④ [〔( )〕]
といふ「括弧」は、
① 不患無位。
② 位無きを患へ不。
③ 我不必患己無位。
④ 我必ずしも己に位無きを患へ不。
といふ「漢文訓読」に於ける、「補足構造」を表してゐる。
従って、
(12)により、
(13)
③ 我不必患己無位 ⇒
④ 我必ずしも己に位無きを患へ不。
といふ「漢文訓読」に於いて、
③と④は、「語順」は異なるが、
③ [〔( )〕]
④ [〔( )〕]
といふ「補足構造」は、等しい。
然るに、
(14)
③ 我不必患己無位。
③ 1726354。
の「語順」を、
⑤ 必不我患位己無。
⑤ 2716435。
といふ「デタラメ」に変へる。
然るに、
(15)
⑤ 2716435=
⑤ 2(7[1)6〔4(3)5〕]⇒
⑤ ([1)2〔(3)45〕6]7。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「括弧」を用ゐて、
⑤ 必不我患位己無。
といふ「デタラメ」を、
⑥ 我必ずしも己に位無きを患へ不。
といふ「順番」で読むためには、
⑤ 必不我患位己無=
⑤ 必(不[我)患〔位(己)無〕]=
⑤ 2(7[1)6〔4(3)5〕]⇒
⑥ ([1)2〔(3)45〕6]7=
⑥ ([我は)必ずしも〔(己に)位無きを〕患へ]不。
といふ風に、せざるを得ない。
然るに、
(17)
⑤ ([ )〔( )〕]
⑥ ([ )〔( )〕]
の場合は、
⑤ ([ )
⑥ ([ )
だけを見ても分るやうに、「括弧」とは、言へない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「括弧」を用ゐて、
⑤ 必不我患位己無。
といふ「デタラメ」を、
⑥ 我必ずしも己に位無きを患へ不。
といふ「語順」に、「置き換へる」ことは、出来ない。
然るに、
(19)
⑦ 25314=
⑦ 2(5[3〔1)〕4]⇒
⑧ ([〔1)2〕34]5。
に於ける、
⑦ ([〔 )〕]。
⑧ ([〔 )〕]。
の場合も、「括弧」とは、言へない。
然るに、
(20)
FC2J18  
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑦ 端的看(不[出〔這婆子的本事)〕来](白話)⇒
⑧ 端的に([〔這の婆子の本事を)看〕出だし来たら]不(訓読)。
といふ「対応」は、
③ 我不[必患〔己無(位)〕](漢文)⇒
④ 我[必ずしも〔己に(位)無きを〕患へ]不(訓読)。
といふ「漢文訓読」ではなく、むしろ、
⑤ 必(不[我)患〔位(己)無〕](デタラメ)⇒
⑥ ([我は)必ずしも〔(己に)位無きを〕患へ]不(訓読)。
といふそれに、相当する。
従って、
(13)(21)により、
(22)
例へば、
③ 我不必患己無位(漢文)⇒
④ 我必ずしも己に位無きを患へ不。
⑦ 端的看不出這婆子的本事来(白話)⇒
⑧ 端的に這の婆子の本事を看出だし来たら不。
が、さうであるやうに、
A:漢文の補足構造
B:訓読の補足構造
C:白話の補足構造
に於いて、
A=B
であるが、
B≠C
である。
従って、
(22)により、
(23)
A:漢文の補足構造
B:訓読の補足構造
C:白話の補足構造
に於いて、
(A=B)≠C であるため、
  A≠C である。
従って、
(23)により、
(24)
A:漢文の補足構造 と、
B:訓読の補足構造 は、等しく、
A:漢文の補足構造 と、
C:白話の補足構造 は、等しくない。
従って、
(25)
「補足構造」が異なる以上、
A:漢文
C:白話
に於いて、
C=中国語(中華人民共和国の、国語)
であるならば、
A:漢文 は、
C:中国語 ではない。
平成二七年〇六月一八日、毛利太。


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