漢文は、英語よりも、論理学的である。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

漢文は、英語よりも、論理学的である。

(01)
① 可不知=知らざるべし。
② 可知=知るべし。
に於いて、
①と②は、「矛盾」する。
然るに、
(02)
不可不囗 二重否定で、強い肯定。「~しなければならない」。義務・当然の意。
(三省堂、明解古典学習シリーズ16、1973年、57頁)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 不可不知=知らざるべからず。
② 可知不不=知るべし。
に於いて、
①=② である。
(03)
③ You must not remember.
④ You must remember.
に於いて、
③と④は、「矛盾」する。
然るに、
(04)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう(大修館書店、現代論理学入門、1972年、15頁)。
従って、
(03)(04)により、
(05)
③ ~(You must not remember).
~(You must remember.
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(06)
① 知 おぼえる、記憶する。
(三省堂、明解古典学習シリーズ16、1973年、57頁)。
従って、
(02)(05)(06)により、
(07)
① 不(可不知)=(覚えていなければなら)ない。
③ ~(You must not remember)=
③ Not(You must not remember).
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(08)
① 不可不知。
といふ「漢文」に対して、
③ Not you must not remember.
といふ「英文」は、存在しない。
(09)
① 無人不死=人として死せざるは無し。
といふ「漢文」は、
① 不有人不死=人として死せざるは有らず。
といふ「漢文」に等しい。
然るに、
(10)
① 不有人不死=人として死せざるは有らず。
といふ「漢文」は、
① 不有人而不死=人として死せざるは有らず。
といふ「漢文」に等しい。
然るに、
(11)
① 不有人而不死=
① 不(有(人而不(死)))⇒
① ((人而(死)不)有)不=
① ((人にして(死せ)ざるは)有ら)ず。
然るに、
(12)
「漢文の補足構造」と「日本語の補足構造」の「語順」は、「逆」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 不有人而不死。
といふ「漢文」の「補足構造」は、
① 不(有(人而不(死)))。
である。
然るに、
(14)
人=M
死=D
とすると、
① 不(有(人而不(死)))。
といふ「漢文」は、
① ~(∃(M&~(D)))。
といふ「形」をしてゐる。
従って、
(14)により、
(15)
① 不(有x(人x而不(死x)))。
といふ「形」は、
② ~(∃x(Mx&~(Dx)))。
といふ「論理式」に等しい。
然るに、
(16)
② ~(∃(Mx&~(Dx)))=
② xは人であり、xは死なない。といった、そのやうなxは、存在しない。
従って、
(09)(12)(16)により、
(17)
① 無人不死=
① 無(人不死)=
① (人として死せざるは)無し=
② ~(∃x(Mx&~(Dx)))=
② xは人であり、xは死なない。といった、そのやうなxは、存在しない。
然るに、
(18)
③ No man doesn’t die=人は、死にません(ヤフー!翻訳)。
No Man doesn’t die=人は、死にません(ヤフー!翻訳)。
従って、
(17)(18)により、
(19)
① 無人不死=
② ~(∃x(Mx&~(Dx))).
であるが、
② ~(∃x(Mx&~(Dx)))=
③ No man doesn’t die.
ではない。
従って、
(19)により、
(20)
① 無可不死。
といふ「二重否定」に対して、
③ No man doesn’t die.
といふ「二重否定」は、存在しない。
従って、
(08)(20)により、
(21)
① 不可不知。
① 無可不死。
といふ「二重否定」に対して、
③ Not you must not remember.
③ No man doesn’t die.
といふ「二重否定」は、存在しない。
従って、
(21)により、
(22)
① 非不可不知=知らざるべからざるに非ず。
① 非無人不死=人として死せざるは無きに非ず。
といふ「三重否定」に対して、
③ Not not you must not remember.
③ Not no man doesn’t die.
といふ「三重否定」も、「英語」には、存在しない。
(23)
しかし18世紀にきわめて人工的・作為的性質の強い規範文法が整備された際、否定呼応という言語現象に無理解な学者たちは、論理学規範を言語という特殊条件を考慮せずに適応し、「否定語を2回使うということは否定の否定を意味し、論理的に肯定である」と主張し、英語の否定呼応を抹殺した(ウィキペディア:二重否定)。
従って、
(21)(23)により、
(24)
「英語」には、「二重否定」が全く無い。とは、言はないものの、基本的に、「英語」に、「二重否定」は無い。
従って、
(22)(24)により、
(25)
「英語」には、「二重否定」や「三重否定」が無い。といふ点に於いて、「英語」は、「漢文」よりも、「論理学的」ではない。
平成27年08月13日、毛利太。

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