返り点に対する(箱としての)括弧の用法Ⅲ。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

返り点に対する(箱としての)括弧の用法Ⅲ。

― 「10月09日の記事」を書き換へます。―
(01)
① 7 3 1 2 6 4 5。
であれば、「返り点」は、
① 7=下
① 3=二
① 1
① 2=一
① 6=中
① 4
① 5=上
である。
(02)
② 5 2 1 4 3。
の場合の「それ」は、
② 5=二
② 2=レ
② 1=
② 4=一レ
② 3=
である。
然るに、
(03)
② 5=二
② 2=レ
② 1=
② 4=一レ
② 3=
であれば、
② 5=下 
② 2=二
② 1=一
② 4=中
② 3=上
であっても、「同じこと」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(03)
① 7 3 1 2 6 4 5。
といふ「順番」を考へることは、
① 7 3 1 2 6 4 5=
① 7 3 1‐2 6 4‐5=
② 5 2 1‐1 4 3‐3=
② 5 2 1 4 3。
といふ「順番」を考へることに、等しい。
従って、
(04)
① 如 揮 快 刀 断 乱 麻。
① 7 3 1 2 6 4 5。
といふ「順番」を考へることは、
② 如 揮 刀 断 麻。
② 5 2 1 4 3。
といふ「順番」を考へることに、等しい。
(05)
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
⑤ 〈 〉
は、「括弧」である。
(06)
① ( )は      「小さな函」。
② 〔 〕は     「中位の函」。
③ [ ]は      「大きな函」。
④ { }は   「より大きな函」。
⑤ 〈 〉は「さらに大きな函」。
に譬へることが、出来る。
(07)
①「小さな函」が、
②「中位の函」の中に、入ってゐる「状態」を、
② 〔 ( ) 〕
とする。
然るに、
(08)
②「Mサイズの箱」が、
①「Sサイズの箱」の中に、入ることは、物理的に、有り得ない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 〔 ( ) 〕
は、「函(括弧)」である。一方で、
① ( 〔 〕 )
① ( 〔 ) 〕
① 〔 ( 〕 )
のやうな「函(括弧)」は、有り得ない。
但し、
(10)
②  〔 ( ) 〕
だけでなく、
②  〔 ( )( ) 〕
②  〔 ( )( )( ) 〕
であっても、
①「小さな箱」が、
②「中位の箱」の中に、入ることには、変はりがない。
従って、
(05)~(10)により、
(11)
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
⑤ 〈 〉
に於いて、
② の中に、一つ以上の ① が有って、
③ の中に、一つ以上の ② が有って、
④ の中に、一つ以上の ③ が有って、
⑤ の中に、一つ以上の ④ が有る。
ならば、「括弧」とする.
(12)
⑤ 〈 〉
で「不足」する場合は、
⑥ 《 》
⑦ 「 」
とする。
(13)
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 上レ
は、「返り点」である。
然るに、
(14)
例へば、
⑤ レ
⑤ レ レ
⑥ 二 一レ 二 一
⑥ 二 レ 一レ
であれば、
⑤ 二 一
⑤ 三 二 一
⑥ 四 三 二 一
⑥ 下  二 一 中 上
と、「同じこと」である。
cf.
二 レ 一レ
従って、
(13)(14)により、
(15)
以下では、
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 上レ
を除いて、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
を、「返り点」とする。
(16)
一・二点をはさんで返る時は上・中・下点。
上・中・下点をはさんで返る時は甲・乙点。
甲・乙点をはさんで返る時は天・地(天・地・人)点である。
(志村和久、漢文早わかり、1982年、20頁)
従って、
(16)により、
(17)
① 地 乙 下 二 一 上 甲 天
② 二 下 乙 地 天 甲 上 一
に於いて、
① は、「返り点」であるが、
② は、「返り点」ではない。
然るに、
(18)
① 地 乙 下 二 一 上 甲 天
② 二 下 乙 地 天 甲 上 一
を、「一二点」だけで表すと、
① 八 六 四 二 一 三 五 七
② 二 四 六 八 七 五 三 一
(19)
① 八 六 四 二 一 三 五 七
② 二 四 六 八 七 五 三 一
を、「数字」に置き換へると、
① 8 6 4 2 1 3 5 7
② 2 4 6 8 7 5 3 1
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
① 地 乙 下 二 一 上 甲 天
は、「返り点」であるが故に、「返り点」は、
① 8 6 4 2 1 3 5 7
といふ「順番」を、表すことが出来る。一方で、
② 二 下 乙 地 天 甲 上 一
は、「返り点」はないが故に、「返り点」は、
② 2 4 6 8 7 5 3 1
といふ「順番」を、表すことが、出来ない。
然るに、
(21)
① 八{六[四〔二(一)三〕五]七}
に於いて、
① 二( )⇒( )二
① 四〔 〕⇒〔 〕四
① 六[ ]⇒[ ]六
① 八{ }⇒{ }八
とすると、
① 八{六[四〔二(一)三〕五]七}⇒
① {[〔(一)二三〕四五]六七}八。
従って、
(21)により、
(22)
① { [ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「括弧」も、
① 八 六 四 二 一 三 五 七
① 8 6 4 2 1 3 5 7
といふ「順番」を、表すことが出来る。
然るに、
(23)
② 二(四[六〈八「七《五{三〔一)〕]}〉》」
に於いて、
② 二( )⇒( )二
② 三〔 〕⇒〔 〕三
② 四[ ]⇒[ ]四
② 五{ }⇒{ }五
② 六〈 〉⇒〈 〉六
② 七《 》⇒《 》七
② 八「 」⇒「 」八
とすると、
② 二(四[六〈八「七《五{三〔一)〕]}〉》」⇒
②([〈「《{〔一)二〕三]四}五〉六》七」八。
従って、
(23)により、
(24)
② ( [ 〈 「 《 { 〔  ) 〕 ] } 〉 》 」
といふ「それ」は、
② 二 四 六 八 七 五 三 一
② 2 4 6 8 7 5 3 1
といふ「順番」を、表すことが出来る。
然るに、
(11)(12)により、
(25)
① { [ 〔 ( ) 〕 ] }
② ( [ 〈 「 《 { 〔  ) 〕 ] } 〉 》 」
に於いて、
① は、「括弧」であるが、
② は、「括弧」ではない。
従って、
(22)(24)(25)により、
(26)
① { [ 〔 ( ) 〕 ] }
は、「括弧」であるが故に、「括弧」は、
① 8 6 4 2 1 3 5 7
といふ「順番」を、表すことが出来る。一方で、
② ( [ 〈 「 《 { 〔  ) 〕 ] } 〉 》 」
は、「括弧」はないが故に、「括弧」は、
② 2 4 6 8 7 5 3 1
といふ「順番」を、表すことが、出来ない。
従って、
(20)(26)により、
(27)
「返り点・括弧」は、
① 8>6>4>2>1<3<5<7
といふ「順番」を、
① 1<2<3<4<5<6<7<8
といふ、「昇べき順」に、「並び替へる(ソート)」することは、可能である、一方で、
② 2<4<6<8>7>5>3>1
といふ「順番」を、
① 1<2<3<4<5<6<7<8
といふ、「昇べき順」に、「並び替へる(ソート)」することは、可能ではない。
(28)
③ 2(3〔1)〕
に於いて、
③ 2( )⇒( )2
③ 3〔 〕⇒〔 〕3
とすると、
③ 2(3〔1)〕⇒
③ (〔1)2〕3。
然るに、
(11)により、
(29)
③ ( 〔 ) 〕
は、「括弧」ではない。
従って、
(28)(29)により、
(30)
「括弧」は、
③ 2<3>1
といふ「順番」を、表すことが出来ない。
然るに、
(31)
③ 二 三 一
といふ「返り点」は、見たことがない。
言ひ換へると、
(32)
③ 注不意。
と書いて、
③ フチュウイ。
と読むやうな「漢文」は、見たことがない。
③注不意
従って、
(28)~(32)により、
(33)
「返り点・括弧」は、
③ 2<3>1
といふ「順番」を、表すことが出来ない。
従って、
(27)(33)により、
(34)
「返り点・括弧」は、
③ 2<3>1
② 2<4<6<8>7>5>3>1
といふ「順番」を、
① 1<2<3
① 1<2<3<4<5<6<7<8
といふ、「昇べき順」に、「並び替へる(ソート)」することが、出来ない。
従って、
(34)により、
(35)
「返り点・括弧」は、
② L<M>N & L=N+1
といふ「順番」を、
② N<L<M
といふ「順番」に、「並び替へる(ソートする)」ことが、出来ない。
従って、
(01)~(35)により、
(36)
「返り点」であれば、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 上レ
といふ「6種類」の中の、
② 上 中 下
④ 天 地 人
に於いて、「不足」が生じない限り、
「括弧」であれば、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
⑤ 〈 〉
の次の、
⑥ 《 》
を「必要」としない限り、「返り点」と「括弧」は、「同じ順番」だけを、示すことが、出来る。
従って、
(36)により、
(37)
「返り点」が表すことが出来る「順番」の「集合」と、「括弧」が表すことが出来る「順番」の「集合」は、原理的に、等しい。
(38)
① 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬=
① 2012129534867111015131416191718=
① 20{1212[9〔5(34)8(67)〕11(10)]15(1314)1619(1718)}⇒
① {12[〔(34)5(67)8〕9(10)11]12(1314)1516(1718)19}20=
① {籍誠[〔(妻子)畜(飢寒)憂〕以(心)乱]不(銭財)有以(医薬)済}使=
① 籍をして誠に妻子を畜ひ飢寒を憂ふるを以て心を乱さ不銭財有りて以て医薬を済さ使む。
の「返り点」は、
① 人 乙 下 二 一 中 上 甲レ 二 一 地 天
である。
然るに、
(39)

使=人


不=丙
以=下
畜=二

子=一
憂=中

寒=上
乱=乙
心=甲
有=二

財=一

済=地

薬=天
従って、
(38)(39)により、
(40)
① 人 乙 下 二 一 中 上 甲レ 二 一 地 天
といふ「返り点」は、
② 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」と、「同じこと」である。
然るに、
(41)
② 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」は、
③ D>8>5>2>1<4>3<7>6<A>9<C>B
といふ「順番(16進数)」に等しい。
然るに、
(42)
③ D 8 5 2 1 4 3 7 6 A 9 C B =
④ D{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]A(9)C(B)}⇒
④ {[〔(1)2(3)4〕5(6)7]8(9)A(B)C}D=
④ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D。
従って、
(41)(42)により、
(43)
② 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点」は、
④ { [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
といふ「括弧」に、「対応」する。
然るに、
(44)
人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
D>8>5>2>1<4>3<7>6<A>9<C>B
といふ「順番」を、
丙 人 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
8<D>5>2>1<4>3<7>6<A>9<C>B
といふ「順番」に変へると、
D{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]A(9)C(B)}
といふ「括弧」は、
8[D{5〔2(1)4(3)〕7(6)]A(9)C(B)}
に、変はらざるを得ない。
然るに、
(45)
② 丙  乙
であれば、
② 天地点が、甲乙点の間にあるため、
② 丙  乙
は、「返り点」としては、「反則」である。
(46)
③ 8<D>7
といふ「順番」は、
③ L<M>N & L=N+1
といふ「順番」に、他ならない。
(47)
④ 8[D{5〔2(1)4(3)〕7(6)]A(9)C(B)}
に於ける、
④ 8[D7]}
は、「括弧」ではない。
加へて、
(48)
使籍(誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬)。
に対する、
① 籍使(誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬)。
の「訓読」は、
① 籍誠をして ・ ・ ・ ・ ・ 使む。
であって、
① 籍をして誠に ・ ・ ・ ・ ・ 使む。
ではない。
平成27年10月12日、毛利太。

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