鏡 上下左右 常識 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

鏡 上下左右 常識

(01)
昔々、ある『村』に、Aさん(30歳)が住んでゐて、Aさんが住むその『村』には、「鏡」が有りません。
(02)
Aさんが住むその『村』には、「変はった習慣(常識)」が有って、その『習慣(常識)』が、先祖代々、約一万年続いてゐます。
(03)
「変はった習慣(常識)」=『「二人の人間」が向かひ合ふ場合は、どちらか一方の人間だけが「逆立ち」をしなければならない。』
であるとします。
従って、
(04)
AさんとBさんが向かひ合ってゐて、
Aさんが「逆立ち」をしてゐない。ならば、Bさんは「逆立ち」をしてゐる。
Bさんが「逆立ち」をしてゐない。ならば、Aさんは「逆立ち」をしてゐる。
といふことに、なります。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
Aさんは、自分が一人で立ってゐる限り、Aさんの方を向いて立ってゐる「一人の人物」を、今までに、一度も見たことが無い。
ということに、なります。
(06)
そのAさんが、タイムスリップをして、「平成28年の日本」に来て、「生まれて初めて、鏡の前に立った」とします。
ところが、
(07)
① 鏡の前のAさんは「逆立ち」をしてゐない。
のであれば、当然、
② 鏡の中のAさんも「逆立ち」をしてゐない。
ということに、なります。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
Aさんは、自分が立ってゐる限り、Aさんの方を向いて、立ってゐる「人物」を、今までに、一度も見たことが無かった。
にもかかわらず、
① 鏡の前のAさんは「逆立ち」をしてゐない。
② 鏡の中のAさんも「逆立ち」をしてゐない。
ということから、
Aさんは、自分が立ってゐて、尚且つ、こちらを向いて立ってゐる誰かB(=A)を、生まれて初めて、見ることになります。
(09)
鏡の前に、あなたが「頭を上にして立って」ゐる際に、
鏡の中で、あなたが「逆立ち」をしてゐる。としたら、
あなたにとっては、「異変」です。
ところが、
(10)
Aさんは、自分が立ってゐて、尚且つ、こちらを向いて立ってゐる誰かB(=A)を、生まれて初めて見た。
のであって、そのため、Aさんにとっては、
① 鏡の前のAさんは「逆立ち」をしてゐない。
② 鏡の中のAさんも「逆立ち」をしてゐない。
ということこそが、「異変」です。
(11)
しばらくして、Aさんは、自分の目の前にあるのは、実際には「ガラスの板」であることを知り、その「ガラスの板」を「鏡」と呼ぶことにします。
この時、
(12)
Aさんは、「自分が頭を上にして立ってゐる」限り、Aさんの方を向いて、「頭を上にして立ってゐる一人の人物」を、今までに、一度も見たことが無かった。
わけですから、そうである以上、
Aさんは、「鏡は左右ではなく、上下を逆に映す。」という風に思ふに、違ひ有りません。
然るに、
(01)~(12)により、
(13)
Aさんが、「鏡は左右ではなく、上下を逆に映す。」という風に、思ってしまった「理由(原因)」は、もちろん、『「二人の人間」が向かひ合ふ場合は、どちらか一方の人間だけが「逆立ち」をしなければならない。』といふ「変はった習慣(常識)」が、「唯一の、原因(理由)」です。
従って、
(13)により、
(14)
「変はった習慣(常識)」が無い場合は、
① 鏡の前のAさんは「逆立ち」をしてゐない。
② 鏡の中のAさんも「逆立ち」をしてゐない。
といふ「状態」を見ても、「鏡は左右ではなく、上下を逆に映す。」という風には思はずに、「鏡は上下ではなく、左右を逆に映す。」といふ風に、思ふことに、なります。
然るに、
(15)
「変はった習慣(常識)」が無いといふことは、
「普通の、習慣(常識)」=『「二人の人間」が向かひ合う場合は、二人とも、「逆立ち」をしない。』
といふ「習慣」が有る。といふことに、他ならない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「鏡は上下ではなく、左右を逆に映す。」といふ風に、我々が思ふ「原因(理由)」は、
「普通の、習慣(常識)」=『「二人の人間」が向かひ合う場合は、二人とも、「逆立ち」をしない。』
といふ「習慣」が有るからである。
従って、
(17)
「実はこれは人間の生活習慣がこうした錯覚を生む元になっているのです(竹下雅敏)。」
といふ点に限って言へば、竹本氏の見解と、私の見解は、一致します。
平成28年02月12日、毛利太。
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Author:タカ
写真は蛍雪時代(高三)。この頃に、漢文が好きになりました。

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