「述語論理」の訓読。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「述語論理」の訓読。

(01)
① 犬の頭であるといふのであれば、その頭は、当然、牛や馬の頭であるべきではない。
といふ「言ひ方」は、
① 如犬有頭其頭不当為牛馬頭。
といふ「漢文」に「置き換へ」ることが出来る。
(02)
② 犬の頭は牛の頭ではないし馬の頭でもない。
② Anything that is a head of a dog is not a head of an bull or a head of a horse.
に対する「述語論理」は、
② ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}
といふ風に、書くことが出来る。
(03)
① 如犬有頭其頭不当為牛馬頭=
① 如犬有(頭)其頭不[当〔為(牛馬頭)〕]。
に於いて、
① 左から右へ読むものの、その「右側」が、[〔( と接してゐる限り、より内側の[〔( )〕]の中を、先に読む。
とすると、「結果」として、
有( )⇒( )有
為( )⇒( )為
当〔 〕⇒〔 〕可
不[ ]⇒[ ]不
といふ「倒置」が成立し、それ故、
① 如犬有頭其頭不当為牛馬頭=
① 如犬有(頭)其頭不[当〔為(牛馬頭)〕]⇒
① 如犬(頭)有其頭[当〔(牛馬頭)為〕可]不。
といふ「語順」を、得ることになる。
cf.
「当」は「再読文字(一字で二語)」。「牛馬」は「並列語」。
(04)
② ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}
に於いて、
② 左から右へ読むものの、その「右側」が、{[〔( と接してゐる限り、より内側の{[〔( )〕]}の中を、先に読む。
とすると、「結果」として、
 犬( )⇒( )犬
 頭( )⇒( )頭
∃y〔 〕⇒〔 〕∃y 
 牛( )⇒( )牛
 馬( )⇒( )馬
 頭( )⇒( )頭
∃y〔 〕⇒〔 〕∃y
 ~[ ]⇒[ ]=
∀x{ }⇒{ }∀x
といふ「倒置」が成立し、それ故、
② {〔(y)犬&(xy)頭〕∃y→[〔(y)牛∨(y)馬&(xy)頭〕∃y]~}∀x
といふ「語順」を、得ることになる。
(05)
① 如犬(頭)有其頭[当〔(牛馬頭)為〕可]不=
① 如し犬に頭有らば、其の頭は当に牛馬の頭為るべからず。
といふ風に、「訓読」出来る。
(06)
    ~=ではない。
    ∨=または、
    &=尚且つ、
    →=ならば、
  ( )=といふ
   ∃x=そのやうなxが存在する。
   ∀x=ことは、全てのxに於いて、正しい。
P(x) =xはPである。
P(xy)=xはyに対してPである。
として、
② ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}=
② {〔(yは)犬であって、尚且つ、(xはyの)頭である。〕といふ、そのやうなyが存在する。のであれば、[〔(yは)牛であるか、または、(yは)馬であり、尚且つ、(xはyの)頭である。〕といふ、そのやうなyが存在し]ない。}といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ風に、「訓読」出来る。
然るに、
(07)
∀下│
従って、
(08)
① 如犬有(頭)其頭不[当〔為(牛馬頭)〕]⇒
① 如犬(頭)有其頭[当〔(牛馬頭)為〕可]不。
② ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}⇒
② {〔(y)犬&(xy)頭〕∃y→[〔(y)牛∨(y)馬&(xy)頭〕∃y]~}∀x。
に対する「返り点」は、
① レ レ レ 二 一
② 下│ 三│ レ 二 一 上レ 三│ レ レ 二 一
である。
然るに、
(09)
文中に頻繁に用いられ、文を構成する役割を果たしている語つまり機能語に習熟することが、漢文学習の第一歩である。本書はこの一〇八語に関して用法を徹底的に整理し、用例を通して具体的に示したものである。
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、ⅳ頁)
従って、
(06)(09)には、
(10)
「述語論理」に於ける、~ ∨ & → ( ) ∃x ∀x P(x) P(xy)
といふ「記号」は、「漢文基本語辞典」が言ふ所の、「一〇八語の機能語」に相当する。
平成28年03月28日、毛利太。
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