「をば」と「排他的命題」。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案
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「をば」と「排他的命題」。

(01)
① I said fifteen, not fifty.
と言ふ場合は、
① fifteen の、
①   teen を「強調(強く発音)」する。
従って、
(01)により、
(02)
① 私が言ったのは、
①{15、50}
の内の、
①{15}であって、
①{50}ではない。
と言ふ場合は、
①{15}を、「強調」する。
然るに、
(03)
① AはBであって、A以外はBでない。
といふ「命題」を、「排他的命題(exclusive proposition)」と言ふ。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① What I said is fifteen, not fifty.
① 私は15と言ったのであって、50とは言ってゐない。
といふ場合がさうであるやうに、
①「強調」は、「排他的命題」を主張する。
然るに、
(05)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
然るに、
(06)
①「Aが」 の「が」は「濁音」であって、
②「Aは」 の「は」は「清音」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①「濁音」を含む「Aが」の方が、
②「清音」を含む「Aは」よりも、「心理的な音量」が「大きい」。
(07)により、
(08)
① Aが
② Aは
に於いて、
① は、② に対する、「強調形」である。
(04)(08)により、
(09)
① AがBである。
といふ「日本語」は、
① AがBである=
① AはBであって、A以外はBでない。
といふ「意味」である所の、「排他的命題」である。
然るに、
(10)
③ 小をば学んで大をば遺る。
(重要漢文単語文例精解―入試文例数1000、1968年、6頁) 
(11)
名をば―「ば」は、係助詞「は」の濁音化したもので、強意。係助詞「は」が、格助詞「を」の下につくときには、「ば」と濁音となる。
(日栄社、文法解説 竹取物語・伊勢物語、1973年、11・12頁)
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ 小を+ば(濁音)
③ 大を+ば(濁音)
に於いて、
③「ば」は、係助詞「は」の濁音化したもので、「強意」を表す。
然るに、
(13)
⑭ 小学而大遺 「学小而遺大」とすべきところを意味を強めるために倒置した。
(三省堂、明解古典学習シリーズ20、1973年、53頁)
従って、
(13)により、
(14)
⑭ 学小而遺大。
といふ「語順」に対する、
⑭ 小学而大遺。
といふ「語順」は、「倒置」による「強調」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
⑭ 小学 =「倒置」による「強調形」。
⑭ 大学 =「倒置」による「強調形」。
③ 小をば=「濁音」による「強調形」。
③ 大をば=「濁音」による「強調形」。
である。
然るに、
(04)により、
(16)
⑭ 小学而大遺。
③ 小をば学んで大をば遺る。
は、「排他的命題」である。
従って、
(09)(16)により、
(17)
③ 小をば学んで、
③ 大をば遺る=
③ 小を学んで(小以外は学ばない)、
③ 大を遺れて(大以外を忘れない)。
といふ、ことになる。
然るに、
(18)
③{小、大}であれば、
③{小以外}=大
③{大以外}=小
である。
従って、
(17)(18)により、
(19)
③ 小をば学んで、
③ 大をば遺る=
③ 小を学んで(大を学ばない)、
③ 大を遺れて(小を忘れない)。
といふ、「意味」になる。
従って、
(20)
④ 小を学ぶ=小を学ぶ。
に対して、
③ 小をば学ぶ=小を学んで(大を学ばない)。
といふ、「意味になる。
平成28年07月30日、毛利太。
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