括弧不可不在(Ⅱ)。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

括弧不可不在(Ⅱ)。

(01)
① A非B =AはBに非ず。
② A非B乎=AはBに非ずや。
に於いて、
② は、① の「疑問形」である。
従って、
(02)
① A非B =AはBではない。
② A非B乎=AはBではないのか。
に於いて、
①と② は、「同じ意味」ではない。
然るに、
(03)
① A非B =AはBではない。
③ A非B也=AはBではない、のである。
に於いて、
①と③ は、「同じ意味」である。
従って、
(03)により、
(04)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
③ 我非必求以解英文法解漢文者也。
に於いて、
①=③ とする。
然るに、
(05)
③ 我非必求以解英文法解漢文者也=
③ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也⇒
③ 我{必[〔(英文)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
③ 我は{必ずしも[〔(英文を)解する法を〕以って(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざる也=
③ 我は、必ずしも、英文を読解する方法を用ゐて、漢文を読解しようと努める者ではない。のである。
然るに、
(06)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
① 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者に非ず。
に於いて、『何が「否定」されてゐるのか』と言へば、「必ず英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者である。といふこと」である。
(07)
① 求以解英文法解漢文。
に於いて、「何を求めてゐるのか」と言へば、「英文を解する法を以って漢文を解せんこと」である。
(08)
① 以解英文法。
に於いて、「何を用ゐるのか」と言へば、「英文を解する法」である。
(09)
① 解英文。
に於いて、「何を解するのか」と言へば、「英文」である。
(10)
① 解漢文。
に於いて、「何を解するのか」と言へば、「漢文」である。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
といふ「漢文」が、
① 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者に非ず。
といふ風に、「訓読」出来る以上、
「非」といふ「漢字の意味」は、{必求以解英文法解漢文者}に及んでゐて、
「求」といふ「漢字の意味」は、[以解英文法解漢文]に及んでゐて、
「以」といふ「漢字の意味」は、〔解英文法〕に及んでゐて、
「解」といふ「漢字の意味」は、(英文)に及んでゐて、
「解」といふ「漢字の意味」は、(漢文)に及んでゐる。
然るに、
(12)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
といふ「漢文」に於いて、
「非」といふ「漢字の意味」は、{必求以解英文法解漢文者}に及んでゐて、
「求」といふ「漢字の意味」は、[以解英文法解漢文]に及んでゐて、
「以」といふ「漢字の意味」は、〔解英文法〕に及んでゐて、
「解」といふ「漢字の意味」は、(英文)に及んでゐて、
「解」といふ「漢字の意味」は、(漢文)に及んでゐる。
 のであれば、
① 我非必求以解英文法解漢文者。
といふ「漢文」は、
① 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。と、すべきである。
然るに、
(13)
我非生而知之
といふ「漢文」は、
生而知之(論語、述而)。
非必怪奇偉麗也(蘇軾、超然台記)。
に基づいた「作例」であり、
我非求以解英文法解漢文
といふ「漢文」は、
我非生而知之(論語+超然台記)。
① 求以解英文法解漢文(旺文社、漢文の基礎、1973年)。
に基づいた「作例」である。
従って、
(13)により、
(14)
① 我非必求以解英文法解漢文者⇒
① 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者に非ず。
といふ「漢文訓読」は、「正しい」。
従って、
(12)(14)により、
(15)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
といふ「漢文」は、
① 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。
従って、
(16)
① 我非必求以解英文法解漢文者⇒
① 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者に非ず。
といふ「漢文訓読」は、「正しい」とする一方で、
① 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐない。とするならば、「矛盾」する。
(17)
① 必求=必+求
① 英文=英+文
① 漢文=漢+文
に於いて、
① 必+ は、「 副詞 」であって、
① 英+ は、「形容詞」であって、
① 漢+ も、「形容詞」である。
然るに、
(18)
「副詞」は「動詞」修飾し、「形容詞」は「名詞」を修飾する。
従って、
(17)(18)により、
(19)
① 必求=必+求
① 英文=英+文
① 漢文=漢+文
に於いて、
「必」は、「求」に及んでゐて、
「英」は、「文」に及んでゐて、
「漢」は、「文」に及んでゐる。
然るに、
(20)
① 英文を解する法
① 必ず英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者
に於いて、
「英文を解する」といふ「連体修飾語」は、「法」を修飾してゐて、
「必ず英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる」といふ「連体修飾語」は、「者」を修飾してゐる。
(16)(20)により、
(21)
① 解英文+法
① 必求以解英文法解漢文+者
に於いて、
「解英文」は、「法」に及んでゐて、
「必求以解英文法解漢文」は、「者」に及んでゐる。
加へて、
(22)
① 我非
の場合も、
① 我非=我+非
であって、「我」は、「非」に及んでゐる。
とする。
従って、
(11)(19)(21)(22)により、
(23)
① 我非必求以解英文法解漢文者。
① 我+非{必+求[以〔解(英+文)+法〕解(漢+文)]+者}。
に於いて、「我」は、「非」を介して、{必求以解英文法解漢文者}の「全体」に及んでゐる。
(24)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう(W.O.クワイン、現代論理学入門、1972年、15頁改)。
従って、
(24)により、
(25)
④ 読漢文。
の「否定」は、
④ ~(読漢文)。
である。
然るに、
(26)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)。
従って、
(25)(26)により、
(27)
④ ~(読漢文)。
に於いて、「~」といふ「演算子の意味」は、(読漢文)に及んでゐる。
然るに、
(28)

を、「漢字」で書けば、この場合は、
~=不
である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
④ 不(読漢文)。
に於いて、「不」といふ「漢字の意味」は、(読漢文)に及んでゐる。
然るに、
(30)
④ 読漢文。
に於いて、「何を読むのか」と言えば、「漢文」である。
従って、
(30)により、
(31)
④ 読(漢文)。
に於いて、「読」といふ「漢字の意味」は、(漢文)に及んでゐる。
従って、
(29)(31)により、
(32)
④ 不読漢文。
に於いて、「不」といふ「漢字の意味」は、(読漢文)に及んでゐて、
④ 読漢文。
に於いて、「読」といふ「漢字の意味」は、 (漢文)に及んでゐる。
然るに、
(33)
④ 不読漢文。
に於いて、「不」といふ「漢字の意味」は、(読漢文)に及んでゐて、
④  読漢文。
に於いて、「読」といふ「漢字の意味」は、 (漢文)に及んでゐる。
のであれば、
④ 不読漢文=
④ 不〔読(漢文)〕。
といふ「等式」が成立する。
従って、
(33)により、
(34)
少なくとも、
④ 不読漢文。
といふ「漢文」に、「括弧」は有ります!!
(35)
⑤ ~(P&Q)=~P∨~Q=P→~Q
に於いて、
⑤  (   )
といふ「括弧」が有るのと、「同じ位、確実」に、「漢文」には「括弧」が有る。
従って、
(36)
「括弧」は、単なる、「返り点」の「代用」ではない。
平成28年08月24日、毛利太。
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