「括弧」と「返り点」と「語順」。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「括弧」と「返り点」と「語順」。

―「08月29日の記事」に加筆します。―
(01)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう(W.O.クワイン、現代論理学入門、1972年、15頁改)。
従って、
(01)により、
(02)
① 読文。
の「否定」は、
① ~(読文)。
といふ風に、書くことにする。
然るに、
(03)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~(読文)。
に於いて、「~」といふ「演算子の意味」は、(読文)に及んでゐる。
然るに、
(05)

を、「漢字」で書けば、この場合は、
~=不
である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 不(読文)。
に於いて、「不」といふ「漢字の意味」は、(読文)に及んでゐる。
然るに、
(07)
①   読文。
に於いて、「何を読むのか」と言へば、「文」である。
従って、
(07)により、
(08)
①   読(文)。
に於いて、「読」といふ「漢字の意味」は、 (文)に及んでゐる。
従って、
(06)(08)により、
(09)
① 不読文=文を読まず。
に於いて、
①「不」の「意味」は、「読文」に及んでゐて、
①「読」の「意味」は、 「文」に及んでゐる。
従って、
(09)により、
(10)
① 不読文。
といふ「漢文」は、
① 不〔読(文)〕。
といふ「補足構造」をしてゐる。
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、二九六頁)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 不〔読(文)〕。
が、「漢文の補足構造」であるならば、その時に限って、
① 〔(文を)読ま〕ず。
は、「国語の補足構造」である。
従って、
(12)により、
(13)
① 不〔読(文)〕。
に於いて、
 不〔 〕⇒〔 〕不
 読( )⇒( )読
といふ「倒置」を行ふと、
① 不〔読(文)〕⇒
① 〔(文)読〕不=
① 〔(文を)読ま〕ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(14)
① 3〔2(1)〕。
に於いて、
 3〔 〕⇒〔 〕3
 2( )⇒( )2
といふ「倒置」を行ふと、
① 3〔2(1)〕⇒
① 〔(1)2〕3=
① 1<2<3。
従って、
(13)(14)により、
(15)
① 不 読 文。
といふ「漢文」に対して、
① 〔( )〕
といふ「括弧(補足構造)」を与へるならば、「結果」として、
① 不 読 文。
といふ「漢文」に対して、
① 3 2 1
といふ「訓読の順番」を与へることになる。
(16)
② 我不〔常読(漢文)〕。
に於いて、
 不〔 〕⇒〔 〕不
 読( )⇒( )読
といふ「倒置」を行ふと、
② 我不〔常読(漢文)〕⇒
② 我〔常(漢文)読〕不=
② 我〔常には(漢文を)読ま〕ず。
然るに、
(17)
② 16〔25(34)〕。
に於いて、
 6〔 〕⇒〔 〕6
 5( )⇒( )5
といふ「倒置」を行ふと、
② 16〔25(34)〕⇒
② 1〔2(34)5〕6=
② 1<2<3<4<5<6。
従って、
(16)(17)により、
(18)
② 我 不 常 読 漢 文。
といふ「漢文」に対して、
② 〔 (  )〕
といふ「括弧(補足構造)」を与へるならば、「結果」として、
② 我 不 常 読 漢 文。
といふ「漢文」に対して、
② 1 6 2 5 3 4
といふ「訓読の順番」を与へることになる。
(19)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
に於いて、
② 我+ は、「 主語 」であり、「 主語 」は、② 不 を「修飾」する。
(20)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
に於いて、
② 常+ は、「 副詞 」であり、「 副詞 」は、② 読 を「修飾」する。
(21)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
に於いて、
② 漢+ は、「形容詞」であり、「形容詞」は、② 文 を「修飾」する。
然るに、
(22)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
に於いて、「誰がしないのか」と言へば、「私+」である。
従って、
(19)(22)により、
(23)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
に於いて、
②「私+」の「意味」は、「不」を介して、「不常読漢文」に及んでゐる。
従って、
(23)により、
(24)
③ 我+常+不〔読(漢+文)〕。
に於いて、
③「私+」の「意味」は、「常」を介して、「常不読漢文」に及んでゐる。
(25)
② 我+不〔常+読(漢+文)〕。
③ 我+常+不〔読(漢+文)〕。
に於いて、
② は、「常に、漢文を読むわけではない。」といふ「意味(部分否定)」であり、
③ は、「漢文を読むことは、決してない。」といふ「意味(全部否定)」である。
従って、
(15)(25)により、
(26)
① 不 読 文。
① 3 2 1
② 我 不 常 読 漢 文。
② 1 6 2 5 3 4
③ 我 常 不 読 漢 文。
③ 1 2 6 5 3 4
といふ「訓読の語順」は、「正しい」。
然るに、
(27)
① 不 読 文。
① 3 2 1
② 我 不 常 読 漢 文。
② 1 6 2 5 3 4
③ 我 常 不 読 漢 文。
③ 1 2 6 5 3 4
に対して、
④ 不 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑥ 不 常 読 漢 文。
⑥ 6 2 5 1 3 4
⑦ 我 常 読 漢 文。
⑦ 1 2 5 6 3 4
⑧ 我 常 読 漢 文。
⑧ 1 2 5 3 6 4
⑨ 我 不 常 読 文
⑨ 1 6 2 5 4 3
といふ「6組のそれ」は、「漢文訓読」としては、有り得ない
然るに、
(28)
① 3 2 1
② 1 6 2 5 3 4
③ 1 2 6 5 3 4
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑥ 6 2 5 1 3 4
⑦ 1 2 5 6 3 4
⑧ 1 2 5 3 6 4
⑨ 1 6 2 5 4 3
に於いて、
⑥ 6 3 4
⑦ 1 2
⑧ 1 2
に関しては、
⑥ 2<5>1 & 2-1=1
⑦ 5<6>4 & 5-4=1
⑧ 5<6>4 & 5-4=1
といふ「順番」を含んでゐて、
① 3 2 1
② 1 6 2 5 3 4
③ 1 2 6 5 3 4
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑨ 1 6 2 5 4 3
に関しては、
⑩ L<M>N & L-N=1
といふ「順番」を含んでゐない
然るに、
(29)
⑩ Ⅱ<Ⅲ>Ⅰ & Ⅱ-Ⅰ=Ⅰ
であれば、
⑩ Ⅱ(Ⅲ〔Ⅰ)〕
であるものの、
⑩  ( 〔 )〕
は、「括弧」でない
従って、
(27)(28)(29)により、
(30)
④ 不 我 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 我 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑥ 不 常 読 我 漢 文。
⑥ 6 2 5 1 3 4
⑦ 我 常 読 不 漢 文。
⑦ 1 2 5 6 3 4
⑧ 我 常 読 漢 不 文。
⑧ 1 2 5 3 6 4
⑨ 我 不 常 読 文 漢。
⑨ 1 6 2 5 4 3
iといふ「漢文」は、更に、
④ 不 我 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 我 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑨ 我 不 常 読 文 漢。
⑨ 1 6 2 5 4 3
iがさうであるやうに、「括弧」を用ゐて「 訓読可能な、漢文 」と、
⑥ 不 常 読 我 漢 文。
⑥ 6 3 4
⑦ 我 常 読 不 漢 文。
⑦ 1 2
⑧ 我 常 読 漢 不 文。
⑧ 1 2
iがさうであるやうに、「括弧」を用ゐて「訓読可能な、漢文」に、分けることが、出来る。
従って、
(30)により、
(31)
④ 不 我 常 読 漢 文。
といふ「漢文」であっても、
④ 不〔我常読(漢文)〕⇒
④ 〔我常(漢文)読〕不=
④ 〔我常には(漢文を)読ま〕ず。
といふ風に、「括弧」を用ゐて「訓読」出来る。
(32)
⑤ 不 常 我 読 漢 文。
といふ「漢文」であっても、
⑤ 不〔常(我)読(漢文)〕⇒
⑤ 〔(我)常(漢文)読〕不=
⑤ 〔(我)常には(漢文を)読ま〕ず。
といふ風に、「括弧」を用ゐて「訓読」出来る。
(33)
⑨ 我 不 常 読 文 漢。
といふ「漢文」であっても、
⑨ 我不[常読〔文(漢)〕]⇒
⑨ 我[常〔(漢)文〕読]不=
⑨ 我[常には〔(漢)文を〕読ま]ず。
といふ風に、「括弧」を用ゐて「訓読」出来る。
然るに、
(34)

然るに、
(35)
「一二」点の間に入ることが出来るは、「レ点」だけである。
からへ、降りる点」は「返り点」ではない
従って、
(34)(35)により、
(36)
⑤ 下    上
  一
  一
といふ「三つ」は、「返り点」でない
従って、
(28)(29)(36)により、
(37)
⑥ 2<5>1 & 2-1=1
⑦ 5<6>4 & 5-4=1
⑧ 5<6>4 & 5-4=1
といふ「順番」を含む所の、
⑥ 6 3 4
⑦ 1 2
⑧ 1 2
に関しては、「括弧」を用ゐても、「返り点」を用ゐても、「訓読の語順」を表すことが、出来ない
従って、
(27)(37)により、
(38)
① 不 読 文。
② 我 不 常 読 漢 文。
③ 我 常 不 読 漢 文。
④ 不 我 常 読 漢 文。
⑤ 不 常 我 読 漢 文。
⑥ 不 常 読 我 漢 文。
⑦ 我 常 読 不 漢 文。
⑧ 我 常 読 漢 不 文。
⑨ 我 不 常 読 文 漢。
といふ「9通り」は、
(a)「 漢文 」であって、「括弧&返り点」を用ゐて、「訓読」が「 可能な 」、「①、②、③」。
(b)「漢文」であって、「括弧&返り点」を用ゐて、「訓読」が「 可能な 」、「④、⑤、⑨」。
(c)「漢文」であって、「括弧&返り点」を用ゐて、「訓読」が「可能な」、「⑥、⑦、⑧」。
といふ「3通り」に、分けることが出来る。
(39)
④ 不 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑨ 我 不 常 読 漢。
⑨ 1 6 2 5 4 3
といふ「三つの、非漢文」が、「括弧&返り点」で「訓読」出来ることは、「(31)(32)(33)(34)」で確認した通りである。
(40)
⑨       
と書いて、
⑨       漢
と読む所の、
⑨ 我 不 常 読 文 漢。
といふ「語順」は、「漢文」では、有り得ない。
(41)
「漢文」は「国語」と同じく、「主語」は「文頭」にあるため、
④ 不 常 読 漢 文。
⑤ 不 常 読 漢 文。
といふ「語順」は、「漢文」では、有り得ない
然るに、
(42)
④  
④   1 2
⑤    常
⑤    2 1
であるため、
④ 不 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
の中に、
⑩ 2<M>1 & 2-1=1
といふ「順番」は、無い。
然るに、
(43)
さうではない所の、
⑥ 不 常 読 漢 文。
⑥ 6 2 5 1 3 4
だけなく、例へば、
⑩ 不 常 読 漢 文
⑩ 6 2 5 3 4 1
といふ風に、「ヒシュカリヤナ語」のやうに、「主語」が「文末」に有るとすると、
⑩ 6 <5 3 4>
といふ「順番」を、持つことになる。
然るに、
(44)
⑩ 不{常(読[漢‐文〔)〕]}
⑩ 6{2(5[3‐4〔1)〕]}
に於いて、
⑩  { ( [   〔 )〕]}
⑩  { ( [   〔 )〕]}
といふ「それ」は、「 括弧 」ではないし、

といふ「それ」は、「返り点」ではない
従って、
(41)~(44)により、
(45)
④ 不 常 読 漢 文。
④ 6 1 2 5 3 4
⑤ 不 常 読 漢 文。
⑤ 6 2 1 5 3 4
⑥ 不 常 読 漢 文。
⑥ 6 2 5 1 3 4
⑩ 不 常 読 漢 文
⑩ 6 2 5 3 4 1
に於いて、これらは全て、「主語」が「文頭」に無いが故に、「漢文」ではないものの、
⑥ 不 常 読 漢 文。
⑩ 不 常 読 漢 文
に関しては、
⑥ 6 <5> 3 4
⑩ 6 <5 3 4>
といふ「語順」を含むが故に、「括弧返り点」を用ゐて、「訓読」することが、出来ない
平成28年08月30日、毛利太。
コメント (0)
コメントの投稿
前のページ(返り点、括弧、構造化。)
次のページ(括弧不可不在(Ⅱ)。)
プロフィール

タカ

Author:タカ
写真は蛍雪時代(高三)。この頃に、漢文が好きになりました。

リンク
このブログをリンクに追加する
最近の記事
月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSフィード
最近のコメント