「が」と「は」:「排他的命題」(10月22日)。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「が」と「は」:「排他的命題」(10月22日)。

(01)
Definition of exclusive proposition
:  a proposition in logic whose predicate is asserted to apply to its subject and no other <“none but the brave deserves the fair” is a simple exclusive proposition>
(www.merriam-webster.com)
従って、
(02)
① A以外はBでない
といふ「命題」を、「排他的命題(exclusive proposition)」といふ。
然るに、
(03)
① A以外はBでない。
といふ場合、普通は、
① AはBである。
といふことを、「前提」とする。
従って、
(04)
① AはBであるが(A以外はBでない)。
といふ「命題」を、「排他的命題」とする。
然るに、
(05)
①(A以外は   Bでない)
②(AでないならばBでない)
に於いて、
①=②
である。
然るに、
(06)
「対偶」は等しいため、
②(AでないならばBでない)
③(B   ならばAである)
に於いて、
②=③
である。
cf.
(~A→~B)={~(~A)∨~B}=(A∨~B)=(~B∨A)=(B→A)
然るに、
(07)
③(BならばAである)
④(Bは  Aである)
に於いて、
③=④
である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
①(A以外は   Bでない)
②(AでないならばBでない)
③(BならばAである)
④(Bは  Aである)
に於いて、
①=②=③=④
である。
従って、
(04)(08)により、
(09)
① AはBであるが(A以外はBでない)。
② AはBであって(BはAである)。
といふ「命題」を、「排他的命題」とする。
然るに、
(10)
①(まり子以外はジョンに会ってゐない)
②(ジョンに会ったのはまり子である)
といふのであれば、その場合は、
③ まり子ジョンに会った。
と言ふのであって、
④ まり子ジョンに会った。
とは言はない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ まり子ジョンに会った。
④ まり子はジョンに会った。
に於いて、
③ は、「排他的命題」であって、
④ は、「排他的命題」ではない。
然るに、
(12)
(13)(14)で示す通り、
④ まり子・は(清音) よりも、
③ まり子・音) の方が、「心理的な音量」が「大きい」。
(13)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
(14)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
④ まり子は
に対する、
③ まり子が
といふ「主語」は、
③「濁音」が持つ「心理的な音量」による「強調形」である。
従って、
(11)(15)により、
(16)
③ まり子
といふ「主語」は、「強調形」であって、
③ まり子ジョンに会った。
といふ「命題」は、「排他的命題」である。
(17)
③ MARIKO met Jhon.
④ Mariko met Jhon.
に於いて、
③ MARIKO は、
④ Mariko の「強調形」であるとする。
然るに、
(18)
ふつう、文の一要素を強調したいときには、英語はアクセント(文強勢)という音声的な手法を用いる。たとえば、Mariko met Jhon in the garden.(まり子は庭でジョンに会いました)というときに、「庭(で)」というところを話し手が強調したいときには、gardenが強く、さらにいえば[a:](アー)の音が強く長めに発音される。この文ではどの要素にも強調を置くことができ、たとえば、inやtheのような機能語であっても、「外でなく中」ということをとくに伝えたいのであれば、Mariko met Jhon IN the garden.というふうにinを強調して「庭の中で」とすることもできるし、「いま話したまさにその庭で会ったんだよ」とということを伝えるのならば、Mariko met Jhon in THE garden.と、「その」を強調することもできる(英語という選択 ― アイルランの今、嶋田珠巳、2016年、165頁)。
従って、
(17)(18)により、
(19)
① まり子以外はジョンに会っていない。
① Nobody except Mariko met Jhon.
といふこと、すなはち、
② ジョンに会ったのはまり子である。
② It was Mariko who met Jhon.
ということをとくに伝えたいのであれば、
④ Mariko met Jhon.
ではなく、
③ MARIKO met Jhon.
といふ風に、
③ MARIKO
を「強調」すると、思はれる。
従って、
(15)(19)により、
(20)
③ まり子
③ MARIKO
といふ「二つの、主語」は、「強調形」であって、
③ まり子ジョンに会った。
③ MARIKO met Jhon.
といふ「二つの、命題」は、排他的命題」にある。
従って、
(20)により、
(21)
③ 何が
③ 鮨が
といふ「二つの、主語」は、「強調形」であって、
③ 何が食べたいですか。
③ 鮨が食べたいです。
といふ「二つの、命題」は、「排他的命題」であって、固より、
④ 何は食べたいですか。
といふ「日本語」は、存在しない。
cf.
③ I want to eat sushi(object).
③ Sushi(subject)is the meal that I want to eat.
従って、
(22)
③ What do you want to eat.
といふ「英語」に「相当」する、
③ 何が食べたいですか。
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
然るに、
(23)
「漢文」に於いて、「目的語」が、「何(What)」のやうな「疑問詞」である場合は、「何(What)」が、「前置」される。
従って、
(24)
③「天言哉。」を、グーグルで「検索」して見つかった、
③「天言哉?_百度知道」といふ「語順」は、「漢文」としては、「間違ひ」である。
cf.
「What do you say?」のグーグル翻訳は、「你說什麼?」であって、「什麼」のグーグル翻訳は、「What」である。従って、「你說什麼?」の「語順」は、「Do you say what?」であると、思はれる。
然るに、
(25)
 前置による強調
 疑問詞と指示詞の前置
 動詞についての目的語は、その動詞の後に置かれるのが、漢語における基本構造としての単語の配列のしかたである。また、漢語における介詞は、ほとんど、動詞から発達したものであって、その目的語も、その介詞の後に置かれるのが、通則であるということができる。しかし、古代漢語においては、それらの目的語疑問詞である場合には、いずれも、その動詞・介詞の前におかれている。このように、漢語としての通常の語順を変えて、目的語の疑問詞を前置きすることは、疑問文において、その疑問の中心になっている疑問詞を、特に強調したものにちがいない(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、334・5頁)。
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
「漢文」に於いて、「目的語」が、「何(What)」のやうな「疑問詞」である場合は、「強調」を「目的」として、「何(What)」が「前置」される。
従って、
(27)
③ 汝欲何食乎。
④ 汝欲食鮨乎。
に於いて、
③ 何(What)
は、「前置による強調形」である。
然るに、
(28)
③ What do you want to eat.
④ Do you want to eat sushi.
といふことからすれば、
③ What do you want to eat.
に於いて、
③ 何(What)
の「位置」は、「前置」である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
③ What do you want to eat.
に於ける、
③ What
も、「前置による強調形」である。といふ風に、「推定」される。
従って、
(21)(27)(29)により、
(30)
③ 何食べたいですか。
③ 汝欲食乎。
What do you want to eat.
に於いて、
③ 何が
③   何
③ What
は、「三つ」とも、「強調形」である。
平成28年10月23日、毛利太。
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