「返り点」と「括弧」。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「返り点」と「括弧」。

(01)
(02)

(03)
① 字を読まず。
② 漢字を読まず。
③ 必ずしも字を読まず。
④ 必ずしも漢字を読まず。
⑤ 字を学んで文を読まんと欲す。
⑥ 漢字を学んで文を読まんと欲す。
⑦ 字を学んで漢文を読まんと欲す。
⑧ 漢字を学んで漢文を読まんと欲す。
⑨ 字を学んで文を読まんと欲する者に非ず。
⑩ 漢字を学んで文を読まんと欲する者に非ず。
⑪ 字を学んで漢文を読まんと欲する者に非ず。
⑫ 漢字を学んで漢文を読まんと欲する者に非ず。
⑬ 常には字を学んで文を読まんと欲する者有らず。
⑭ 常には漢字を学んで文を読まんと欲する者有らず。
⑮ 常には字を学んで漢文を読まんと欲する者有らず。
⑯ 常には漢字を学んで漢文を読まんと欲する者有らず。
⑰ 我は必ずしも字を解する法を以って文を解せんことを求る者に非ず。
⑱ 我は必ずしも英文を解する法を以って文を解せんことを求る者に非ず。
⑲ 我は必ずしも字を解する法を以って英文を解せんことを求る者に非ず。
⑳ 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求る者に非ず。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 〔( )〕
⑤ 〔( )( )〕
⑨ [〔( )( )〕]
⑬ {[〔( )( )〕]}
⑰ {[〔( )〕( )]}
といふ「5個の、括弧」は、少なくとも、
① レ レ
② レ 二 一
③ 二 一レ
④ 三 二 一
⑤ 二 レ 一レ
⑥ 下 二 一 上レ
⑦ 三 レ 二 一
⑧ 下 二 一 中 上
⑨ 下 二 レ 一レ 上
⑩ 乙 下 二 一 上レ 甲
⑪ 下 三 レ 二 一 上
⑫ 乙 下 二 一 中 上 甲
⑬ 下 中 二 レ 一レ 上
⑭ 丙 乙 下 二 一 上レ 甲
⑮ 下 中 三 レ 二 一 上
⑯ 丙 乙 下 二 一 中 上 甲
⑰ 乙 下 二 レ 一 上レ 甲
⑱ 地 乙 下 二 一 上 甲レ 天
⑲ 乙 下 二 レ 一 中 上 甲
⑳ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
といふ「20個の、返り点」が示す「順番」を、表すことが、出来る。
然るに、
(05)
「レ点」が無ければ、例へば、
⑨ 下 二 レ 一レ 上
⑩ 乙 下 二 一 上レ 甲
⑪ 下 三 レ 二 一 上
⑫ 乙 下 二 一 中 上 甲
といふ「返り点」は、四つとも、
⑨ 乙 下 二 一 中 上 甲
⑩ 乙 下 二 一 中 上 甲
⑪ 乙 下 二 一 中 上 甲
⑫ 乙 下 二 一 中 上 甲
といふ風に、せざるを得ない。
従って、
(06)
「括弧」に対する「返り点」は、
「レ点」が有ることによって、その分、「複雑」になってゐる。
(07)
⑳ 1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
ではなく、
⑳ 1D 2B 7 5 34 6 A 89  C E。
であれば、「普通に(左から右に)読む」。
(08)
⑳ 1D 2B 7 5 34 6 A 89  C E。
ではなく、
⑳ 1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
であれば、
 D は、{ }の中を読み終へた「直後」に読む。
 B は、[ ]の中を読み終へた「直後」に読む。
 7 は、〔 〕の中を読み終へた「直後」に読む。
 5 は、( )の中を読み終へた「直後」に読む。
 A は、( )の中を読み終へた「直後」に読む。
従って、
(07)(08)により、
(09)
⑳ 1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
に於いて、
 1 は、そのまま読み、
 2 は、そのまま読み、
 3 は、そのまま読み、
 4 も、そのまま読むと、(34)の中を「読み終へた」ことになるため、「直後」に、
 5 を、読む。
然るに、
(07)(08)(09)により、
(10)
 6 を、そのまま読むと、〔5(34)6〕の中を「読み終へた」ことになるため、「直後」に、
 7 を、読む。
従って、
(07)~(10)により、
(11)
 8 は、そのまま読み、
 9 も、そのまま読むと、(89)の中を「読み終へた」ことになるため、「直後」に、
 A を、読むと、[7〔5(34)6〕A(89)]の中を「読み終へた」ことになるため、「直後」に、
 B を読む。
従って、
(07)~(11)により、
(12)
 C を、そのまま読むと、{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}の中を「読み終へた」ことになるため、「直後」に、
 D を読み、
 E は、そのまま読む。
従って、
(07)~(12)により、
(13)
⑳ 1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
であれば、
⑳ 1{2[〔(34)56〕7(89)A]BC}DE。
といふ「順番」で読む。
従って、
(13)により、
(14)
⑳ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也。
であれば、
⑳ 我{必[〔(英文)解法〕以(漢文)解]求者}非也。
といふ「順番」で読む。
従って、
(14)により、
(15)
⑳ 我非必求以解英文法解漢文者也=
⑳ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也=
⑳ 1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E⇒
⑳ 1{2[〔(34)56〕7(89)A]BC}DE=
⑳ 我{必[〔(英文)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
⑳ 我は{必ずしも[〔(英文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざる也。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(16)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、二九六頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑳ 我非必求以解英文法解漢文者也。
といふ「漢文」が、
⑳ 我は{必ずしも[〔(英文を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざる也。
といふ風に、「訓読」出来るにも拘はらず、
⑳ 我非必求以解白話法解漢文者也。
といふ「漢文」に、
⑳ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「補足構造」が無い。といふことは、有り得ない。
従って、
(18)
⑳ 我非必求以解英文法解漢文者也。
といふ「漢文」を、
⑳ Wǒ fēi bì qiú yǐ jiě báihuà fǎ jiě hànwén zhě yě.
といふ風に、「発音」して、
⑳ ガヒヒツキウイカイエイブンハフカイカンブンシャヤ。
⑳ 我は必ずしも英文を解する法を以て漢文を解せんことを求むる者に非ざる也。
といふ風には、「発音」しない場合であっても、
⑳ 我非必求以解英文法解漢文者也。
といふ「漢文」の、
⑳ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也。
といふ「補足構造」を、無視することは、出来ない。
平成28年10月30日、毛利太。
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