『所』について。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

『所』について。

(01)
① S(主語)+V(他動詞)+O(目的語)。
① 人(主語)+事(他動詞)+君(目的語)。
であるため、
① 人事君(人、君に事ふ)。
に於ける、
① 君 は、
① 君(目的語)である。
然るに、
(02)
君者所事也
従って、
(01)(02)により、
(03)
① S(主語)+V(他動詞)+O(目的語)。
に於ける、
① O(目的語)が、
①「所」であって、そのため、
① 人(主語)+事(他動詞)+君(目的語)。
であれば、
① 君(目的語)が、
①「」である。
然るに、
(04)
韓非子(客有教)
然るに、
(05)
「所」は用言を体言化する点において「者」と共通しているが、「者」が行為の主体を指示するのに対し、「所」は行為の対象を指示し、人・物・事などを示す。
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 王使学之(王、をして之を学ば使む)。
③ 王使学(王の学ば使むる所の者)。
に於いて、
②「人」= ③「所」
③「所」= ③「者」
である。
従って、
(06)により、
(07)
③ 王所使学者(王の学ば使むる所の者)=
③ 王所使学人(王の学ば使むる所の人)。
に於いて、
③「所使学」の「者」
③「所使学」=「人」
であるため、
③「所の」の「の」は、「同格(同一)」の「の」である。
然るに、
(08)
③ 王学ば使むる所の者=
③ 王学ば使むる所の者。
であるため、
③「王の(王が)」の「の(が)」は、「主格」の「の(が)」である。
cf.
格助詞の「」には、主格とか同格などの働きがあると教わりましたが、どう違いを見分ければいいのか、よくわかりません。見分けるコツがあれば教えてください(高校生の苦手解決Q&A)。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 王使人学之(王、人をして之を学ば使む)。
③ 所使学者、未及学而客死(学ば使むる所の者、未だ学ぶ及ばずして客死せり)。
であれば、
② に於いて、
② 王によって、学ぶように命じられた「人」が、
③「所使学者」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(10) 
② 王使人学之。
③ 所使学者、未及学而客死。
であれば、
② に於いて、
②「学ばた」のは、すなはち、
②「学ぶように、命じた」のは、「王」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
②「学ばた(王)」自身は、「学んで」はゐなくて、
②「学ばた者(人)」が、「学んだ」ことなる。
cf.

活用表

従って、
(04)(09)~(11)により、
(12)
③「学ばた者(人)」が、「未だ学ぶに及ばずして客死せり。」
であって、
③「学ばた者(王)」 が、「未だ学ぶに及ばずして客死せり。」
ではない。
従って、
(12)により、
(13)
「学ばた者(王)がまだ学び終わらないうちにその人が死んだ(多久弘一、多久の漢文公式110、1988年、13頁)」といふ「解釈」は、マチガイである。
(16)
「日本語」として、
「学ばされた者(受身)」「学ばた者(使役)」
であるならば、そのやうに、言はざるを得ないし、少なくとも、私自身は、「学ばた者が」といふ「解釈」を読んで、「混乱」した。
(17)
「学ばた」  のは「王」であり、
「学ばさた」 のは「人」であり、
「教へさせた」のは「客」である。
平成28年11月23日、毛利太。
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