「漢文」の「否定」について。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「漢文」の「否定」について。

(01)
① AB=名詞+名詞。
であるならば、
① AB=AはBである。
といふ、「意味」である。
(02)
② A非B=名詞+非+名詞。
であるならば、
② A非B=AはBでない(B以外である)。
といふ、「意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 我王 =我は王なり。
② 我非王=我は王に非ず。
といふ、「意味」である。
然るに、
(02)(03)により、
(04)
② 我非王=我は王に非ず。
② 我非王=私は王ではない。
に於いて、
② 王 は、「名詞」であるため、
② 王 は、「動詞」でも、「形容詞」でもない。
然るに、
(05)
不は、あとの動詞や形容詞を否定して「不行(行かない)」、「不良(良くない)」のように用いる。
(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
② 我非王=我は王にあらず。
③ 我不王=我は王にあらず。
に於いて、
③ は、「正しく」はない。
然るに、
(07)
【王】〔意味〕
[一]きみ(君)国土を統べ、人民を治める君主。
[二]きみとなる「欲関中 カンチュウにオウたらんとほっす」〈史記・項羽記〉
(旺文社、高校基礎漢和辞典、1984年、535頁改)
従って、
(08)
「王」といふ「漢字」は、「名詞」であって、尚且つ、「王になる」といふ「動詞」である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
③ 我非王。
ではなく、
③ 我不王。
であるならば、
③ 我不王=私は王ではない。
ではなく、
③ 我不王=私は王にならない。
といふ「意味」である。
然るに、
(10)
④ 不王者=王たらざる者(王にならない者)
は、「名詞」である。
従って、
(02)(10)により、
(11)
⑤ 我不王者=我は王たらざる者なり。
⑤ 我不王者=私は王にならない者である。
であって、
⑥ 我非不王者=我は王たらざる者に非ず。   
⑥ 我非不王者=私は王にならない者ではない。
であるものの、
⑥ 我非不王者=我は王たらざる者に非ず。
⑥ 我非不王者=私は王にならない者ではない。
は、「二重否定」である。
(12)
⑦ 無不王者=王たらざる者無し。      
⑦ 無不王者=王にならない者はゐない。
も、「二重否定」である。
然るに、
(13)
【非】ひ あらズ[連語] 《内容の否定》
(天野成之、漢文基本語辞典、1999年、283・293頁改)
【非】[意味]① ・・・にあらず ・・・ではない。・・・ということではない。◇ 後にくる名詞や、事由をあらわすクローズを打ち消すことば。
(学研、漢和大辞典、1978年、1457頁改)
従って、
(12)(13)により、
(14)
【非】は、
⑦ 無不王者=王たらざる者無し。
⑦ 無不王者=王にならない者はゐない。
といふ「二重否定」を「否定」することが出来、
⑧ 非無不王者=王たらざる者無きに非ず。
⑧ 非無不王者=王にならない者はゐないのではない
は、「重否定」である。
(15)
⑨ 天下無非王土=天下王土に非ざる無し。
⑨ 天下無非王土=天下に王の土地でないところは無い。
然るに、
(16)
非=ヒ
不=フ
無=ム
(17)
一=ヒ
二=フ
三=ミ
四=ヨ
五=イツ
六=ム
従って、
(16)(17)により、
(18)
 非不= ヒフ= 一二
 非無= ヒム= 一六
 無非= ムヒ= 六一
 無不= ムフ= 六二
非無不=ヒムフ
であるため、
1216。6162。162。
である。
平成29年04月01日、毛利太。
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