「括弧」と「返り点」の条件(Ⅱ)。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

「括弧」と「返り点」の条件(Ⅱ)。

(01)
① 3(12)6(45)。
に於いて、
  3( )⇒( )3
  6( )⇒( )6
といふ「移動」を行ふと、
① 3(12)6(45)⇒
① (12)3(45)6=
①   1<2<3<4<5<6。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
然るに、
(02)
① 3(囗2)6(囗5)。
に於いて、
①     囗    囗
には、「返り点」が付かない
従って、
(03)
① 3(囗2)6(囗5)。
① 二(囗一)二(囗一)。
に於ける、
① 二  一 二  一
といふ「それ」が、
① 3(12)6(45)。
に対する、「返り点」である。
従って、
(01)~(03)により、
(04)
具体的には、
① 揮快刀断乱麻=
① 揮快刀乱麻
① 揮(快刀)断(乱麻)=
① 3(12)6(45)⇒
① (12)3(45)6=
① (快刀)揮(乱麻)断=
① (快刀を)揮って(乱麻を)断つ=
①  快刀を揮って乱麻を断つ。
に於ける「返り点」は、
① 二 一 二 一
である。
従って、
(04)により、
(05)
① 揮(快刀)断(乱麻)。
に対する「返り点」は、
① 二 一 二 一
であって、
① 二 一 四 三
ではない
然るに、
(06)
 ①
 二
 一
 二
 一
といふ「返り点」は、
 ①
 二
 ↑
 一
   二
   ↑
   一
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
従って、
(06)により、
(07)
 ①
 二
 一
 二
 一
といふ「返り点」を、
 ①
 二
 一
 四
 三
といふ風に、「間違って、付けた」場合であっても、
 ①
 二
 ↑
 一
   四
   ↑
   三
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
然るに、
(08)
揮快刀断乱麻=
快刀乱麻
に対して、
② 如揮快刀断乱麻=
② 如快刀乱麻
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕=
② 7〔3(12)6(45)〕⇒
② 〔3(12)(45)6〕7=
② 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
② 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し=
②  快刀を揮って乱麻を断つが如し。
に於ける「返り点」は、
② 下 二 一 中 上
である。
従って、
(08)により、
(09)
② 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕。
に対する「返り点」は、
② 下 二 一 中 上
であって、
② 五 二 一 四 三
ではない
然るに、
(10)
 ②
 下
 二
 一
 中
 上
といふ「返り点」は、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   中
   ↑
   上
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
従って、
(07)(10)により、
(11)
 ②
 下
 二
 一
 中
 上
といふ「返り点」を、
 ②
 五
 二
 一
 四
 三
といふ風に、「間違って、付けた」場合であっても、
 ②
   五
 二
 ↑ ↑
 一
   四
   ↑
   三
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
然るに、
(12)
漢文者  =漢文を読む者。
に対して、
④ 有漢文=漢文を読む者り。
である。
従って、
(12)により、
(13)
漢文者=漢文を読む者。
がさうであるやうに、
③   二 一
だけが、有って、
③ 下     上
といふ「返り点」が無い場合であっても、
④ 有漢文=漢文を読む者り。
がさうであるやうに、
④     二 一
といふ「返り点」に加へて、
④ 下     上
といふ「返り点」が場合であっても、
いづれにせよ、「返り点」としては、
③     一 が、「最初」であって、
④   二   が、「2番」である。
従って、
(13)により、
(14)
 ④
 下
 二
 一
 上
といふ「返り点」は、
 ④
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、二度、返ってゐて、一度も、には、戻らない」。
然るに、
(15)
④ 有読漢文
④ 有漢文
④ 有〔読(漢文)者〕=
④ 5〔3(12)4〕⇒
④ 〔(12)34〕5=
④ 〔(漢文)読者〕有=
④ 〔(漢文を)読む者〕有り=
④ 漢文を読む者り。
といふ「漢文」に対して、
⑤ 有読漢文=
⑤ 有漢文
⑤ 有[読(者〔漢文)〕]=
⑤ 5[3(4〔12)〕]⇒
⑤ [(〔12)3〕4]5=
⑤ [(〔漢文)読〕者]有=
⑤ [(〔漢文を)読む〕者]有り=
⑤ 漢文を読む者り。
といふ「それ」が、在り得るとする。
然るに、
(16)
⑤ 下 二 上 一
といふ「返り点」から、
⑤ 下   上
といふ「返り点」を除いた場合を、
⑥ 囗 二 囗 一
といふ風に、書くことにする。
従って、
(16)により、
(17)
⑤ 有漢文
であれば、
⑤ 下 二 上 一
であって、
⑥ 有漢文
であれば、
⑥ 囗 二 囗 一
である。
然るに、
(18)
「返り点」が付いてゐない「漢字α」が、「返り点」が付いてゐる「漢字β」よりも「」に有る場合は、「漢字α」の方を、「漢字β」よりも、「先に読む」。
従って、
(17)(18)により、
(19)
⑥ 囗 二 囗 一
であるならば、
⑥ 囗              が「最初」であって、
⑥     囗   が「二番」であって、
⑥       一 が「三番」であって、
⑥   二     が「四番」である。
然るに、
(20)
⑥ 囗 二 囗 一
ではなく、
⑤ 下 二 上 一
であるならば、
⑤       一 が「最初」であって、
⑤   二     が「二番」であって、
⑤     上   が「三番」であって、
⑤ 下       が「四番」である。
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑥ 囗 二 囗 一
ではなく
⑤ 下 二 上 一
あるからこそ、
⑤       一 が「最初」であって、
⑤   二     が「二番」であって、
⑤     上   が「三番」であって、
⑤ 下       が「四番」である。
といふ、ことになる。
従って、
(21)により、
(22)
⑤ 下 二 上 一
といふ「それ」は、
⑤ 四 二 三 一
といふ「それ」の、「書き換へ」に、過ぎない。
従って、
(22)により、
(23)
 ⑤
 下
 二
 上
 一
といふ「それ」は、
 ⑤
     下
 二 二 ↑
 ↑  ↑
 ↑ 上 上
 一 
といふ風に、「上に返って、に戻り、上へ返ってゐる」。
従って、
(14)(23)により、
(24)
 ④
 下
 二
 一
 上
といふ「返り点」は、
 ④
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、二度、返ってゐて、一度も、には、戻らない」ものの、その一方で、
 ⑤
 下
 二
 上
 一
といふ「それ」は、
 ⑤
     下
 二 二 ↑
 ↑  ↑
 ↑ 上 上
 一 
といふ風に、「上に返って、下に戻り、上へ返ってゐる」。
然るに、
(25)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(25)により、
(26)
 二  一
といふ「それ」は、
 二 一 
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(23)(26)により、
(27)
 ⑤
     下
 二 二 ↑
 ↑  ↑
 ↑ 上 上
 一 
のやうに、「上に返って、に戻り、上へ返る」所の、
 二  一
は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(28)
⑤ 有読漢文=
⑤ 有漢文
⑤ 有[読(〔漢文)〕]=
⑤ 5[3(4〔12)〕]⇒
⑤ [(〔12)3〕4]5=
⑤ [(〔漢文)読〕者]有=
⑤ [(〔漢文を)読む〕者]有り=
⑤ 漢文を読む者り。
に於ける。
⑤  [ ( 〔  )〕]
は、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(29)
④ 有読漢文
といふ「漢文」に対する、
⑤ 有読漢文。
といふ「それ」は、「漢文・モドキ」である。
従って、
(27)(28)(29)により、
(30)
④ 有〔読(漢文)者〕。
といふ「漢文」に対する、
⑤ 有[読(者〔漢文)〕]。
といふ「漢文・モドキ」に対しては、
 二   一
といふ「返り点・モドキ」と、
⑤  [ ( 〔  )〕]
といふ「括弧・モドキ」しか、付けられない。
然るに、
(31)

従って、
(31)により、
(32)
⑥ 只‐管要纏擾我=
⑥ 只‐管要
⑥ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]=
⑥ 1‐2 6[4(5〔3)〕]=
⑥ 1‐2 下[二(上〔一)〕]⇒
⑥ 1‐2 [(〔一)二〕上]下=
⑥ 1‐2 [(〔3)4〕5]6=
⑥ 只‐管 [(〔我)纏〕擾]要=
⑥ ひたすら、我が、やっかいになる。
は、「漢文訓読」ではなく、「中国語(白話文)訓読」である。
従って、
(30)(32)により、
(33)
⑤ 有[読(者〔漢文)〕]=有漢文
のやうな「漢文・モドキ」や、
⑥ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]=只‐管要
(33)
のやうな「中国語(白話文)」に対しては、「括弧」と「返り点」を、付けることが出来ない。
平成29年12月18日、毛利太。
コメント (0)
コメントの投稿
前のページ(「括弧」と「返り点」の条件(Ⅲ)。)
次のページ(「返り点」と「括弧」の条件。)
プロフィール

タカ

Author:タカ
写真は蛍雪時代(高三)。この頃に、漢文が好きになりました。

リンク
このブログをリンクに追加する
最近の記事
月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSフィード
最近のコメント