「括弧」と「返り点」の条件(Ⅲ)。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案
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「括弧」と「返り点」の条件(Ⅲ)。

(01)
① 揮快刀者=
① 揮揮快刀者=
① 揮(快刀)者=
① 3(12)4⇒
① (12)34=
① (快刀)揮者=
① (快刀を)揮ふ者=
① 快刀を揮ふ者。
に於ける「返り点」は、
① 二 一
である。
然るに、
(02)
 ①
 二
 一
といふ「返り点」は、
 ①
 二
 ↑
 一
といふ具合に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
然るに、
(03)
揮快刀者=快刀を揮ふ者。
に対して、

を加へて、
揮快刀者=快刀を揮ふ者り。
とするならば、その時に、「初めて」、
②「者」から「」へ「返る」、「返り点(下 上)」が、「必要」となる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② 有揮快刀者=
② 有快刀
② 有〔揮(快刀)者〕=
② 5〔3(12)4〕⇒
② 〔(12)34〕5=
② 〔(快刀)揮者〕有=
② 〔(快刀を)揮ふ者〕有り=
② 快刀を揮ふ者り。
に於ける「返り点」は、
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
(05)
③ 揮快刀断乱麻=
③ 揮快刀乱麻
③ 揮(快刀)断(乱麻)=
③ 3(12)6(45)⇒
③ (12)3(45)6=
③ (快刀)揮(乱麻)断=
③ (快刀を)揮って(乱麻を)断つ=
③  快刀を揮って乱麻を断つ。
に於ける「返り点」は、
① 二 一 二 一
である。
然るに、
(06)
 ③
 二
 一
 二
 一
といふ「返り点」は、
 ③
 二
 ↑
 一
   二

   一
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
然るに、
(07)
揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つ。
に対して、

を加へて、
揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つがし。
とするならば、その時に、「初めて
④「断」から「」へ返る」、「返り点(下 中 上)」が、「必要」となる。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
④ 如揮快刀断乱麻=
④ 如快刀乱麻
④ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕=
④ 7〔3(12)6(45)〕⇒
④ 〔3(12)(45)6〕7=
④ 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
④ 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し=
④  快刀を揮って乱麻を断つが如し。
に於ける「返り点」は、
④ 下 二 一 中 上
であって、尚且つ、
 ④
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   中

    上
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
(09)
⑤ 不常得以快刀断=
⑤ 不常得快刀
⑤ 不[常得〔以(快刀)断〕]=
⑤ 7[16〔4(23)5〕]⇒
⑤ [1〔(23)45〕6]7=
⑤ [常〔(快刀)以断〕得]不=
⑤ [常には〔(快刀を)以て断つを〕得]ず=
⑤ 常には快刀を以て断つを得
に於ける「返り点」は、
⑤ 下 中 二 一 上
である。
然るに、
(04)により、
(10)
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ものの、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ「返り点」は、
 ②
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
であっても、構はない。
然るに、
(11)
②    二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」のであれば、
下 中 二 一 上
であって、尚且つ、
 ⑤
   
   ↑
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① 揮揮快刀者。
② 有快刀
③ 揮快刀乱麻
④ 如快刀乱麻
⑤ 不常得快刀
に於ける、
① 二 一
② 下 二 一 上
③ 二 一 二 一
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、全て、「上にだけ、返って、には、戻らない」。
然るに、
(13)
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
であれば、
④+⑤=
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
であるため、
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
の場合も、
 ⑥
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   二
↑ ↑
   一
     上
といふ風に、「上にだけ、返って、には、戻らない」。
然るに、
(14)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
に於いて、
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
が、表す「順番」は、
(Ⅴ)二一 二一 中上 乙甲 地天
が、表す「順番」と、「同じ」である。
従って、
(14)により、
(15)
「返り点」が表す「順番」は、「レ点」を除いた、
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
といふ、「返り点」が表す「順番」に等しい。
然るに、
(16)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合には、
(Ⅱ)を用ゐ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合には、
(Ⅲ)を用ゐ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合には、
(Ⅳ)を用ゐる。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅰ)の、(Ⅱ)に対する「関係」は、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」に「等しく」、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」は、
(Ⅲ)の、(Ⅳ)に対する「関係」に「等しい」。
従って、
(12)(13)(17)により、
(18)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
④ 乙 下 上 甲
⑤ 丙 下 上 乙 甲
⑥ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
⑦ 地 乙 甲 天
⑧ 人 乙 甲 地 天
⑨ 人 地 乙 甲 天
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
従って、
(15)(18)により、
(19)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点のセット」は、「上にだけ返って、には戻らない」。
然るに、
(20)

従って、
(20)により、
(21)
⑩ 只‐管要纏擾我=
⑩ 只‐管要
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]=
⑩ 1‐2 下[二(上〔一)〕]=
⑩ 1‐2 6[4(5〔3)〕]⇒
⑩ 1‐2 [(〔3)4〕5]6=
⑩ 1‐2 [(〔一)二〕上]下=
⑩ 只‐管 [(〔我)纏〕擾]要=
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
は、「漢文訓読」ではなく、「中国語(白話文)訓読」である。
然るに、
(22)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(22)により、
(23)
⑩ 只‐管要
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
 二  一
といふ「それ」は、
 二 一 
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
加へて、
(24)
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]
に於ける、
⑩     [ ( 〔 )〕]
といふ「それ」は、
⑩     [ 〔 ( )〕]
ではないため、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(25)

といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」と、

といふ「返り点・モドキ」が付いてゐる「漢字」を、それぞれ、
② 下 二 一 
⑩ 下 二  一
といふ風に、書くことにする。
(26)
② 下 二 一 
⑩ 下 二  一
から、
②       
⑩     
といふ「上」を除いた「それ」を、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
といふ風に、書くことにする。
従って、
(27)
② 有
⑩ 有
であれば、
② 下 二 一 上
⑩ 下 二 上 一
であって、
② 有
⑩ 有
であれば、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
である。
然るに、
(28)
「返り点」が付いてゐない「漢字α」が、「返り点」が付いてゐる「漢字β」の「」に有る場合は、「漢字α」の方を、「漢字β」よりも、「先に読む」。
従って、
(26)(27)(28)により、
(29)
② 下 二 一 囗
であれば、
②     一   が「最初」であって、
②   二     が「二番」である。
然るに、
(28)(29)により、
(30)
⑩ 下 二 囗 一
であれば、
⑩     囗   が「最初」であって、
⑩             一 は「二番」である。
従って、
(29)(30)により、
(31)
⑩ 下 二 囗 一
に於いて、
⑩             一 を「一番に、読む」ためには、
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二  一 でなければ、ならない。
然るに、
(32)
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二  一 でなければ、ならない。
といふのであれば、
⑩ 下 二  一 は、
⑩ 四 二  一 に、「等しい」。
従って、
(32)により、
(33)
⑩ 四 二  一
である所の、
⑩ 下 二  一
の場合は、
 ⑩
     下
 二 二 ↑
 ↑ ↓ ↑
 ↑  
 一
といふ風に、「上に返って、下に戻り、上へ返ってゐる」。
然るに、
(04)により、
(34)
② 下 二 一 上
の場合は、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、二回、返ってゐる」。
然るに、
(35)
(21)~(23)で、「確認」した通り、
⑩ 只‐管要
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
 二  一
といふ「それ」は、
 二 一 
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(35)により、
(36)
⑩ 下 二  一
といふ「それ」が、「中国語(白話文)訓読」に、見られるからと言って、「上から、下へ、戻る、返り点」も有り得る。
といふことには、ならない
従って、
(37)
「返り点」は、「下には、戻れない」。
(38)
 ⑪
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     上
に対して、
 ⑪
     三
 二
 ↑   ↑
 一
     二
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     一
であるならば、
⑩ 下 二 一 中 三 二 一 上
ではなく、
⑪ 三 二 一 二 三 二 一 一
である。
然るに、
(39)
⑪ 三 二 一 二 三 二 一 一
であるならば、「ワケが、分からない」。
(40)
 ⑪
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     上
に対して、
 ⑪
     八
 二
 ↑   ↑
 一
     七
   五
   ↑ ↑
   四
   ↑ ↑
     三
     六
であるならば、
⑪ 下 二 一 中 三 二 一 上
ではなく、
⑪ 八 二 一 七 五 四 三 六
である。
然るに、
(41)
⑪ 八 二 一 七 五 四 三 六
よりも、
⑪ 下 二 一 中 三 二 一 上
の方が、「読みやすい」。
従って、
(39)(41)により、
(42)
⑪ 下 二 一 中 三 二 一 上
の方が、
⑪ 三 二 一 二 三 二 一 一
⑪ 八 二 一 七 五 四 三 六
よりも、「読みやすい」。
従って、
(42)により、
(43)
「上下点」は、「一二点」を挟んで「返る」際に、必要となる。
従って、
(43)により、
(44)
⑩ 下 二 上 一
のやうな「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
平成29年12月20日、毛利太。
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