私が大野です。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

私が大野です。

(01)
最初に、「最近の記事」を読まれてゐない方を想定して、次の「命題計算」を確認します。
(γ)
1  (1) B→ A 仮定
 2 (2)   ~A 仮定
  3(3) B    仮定
12 (4)    A 13前件肯定
123(5) A&~A 42&導入
12 (6)~B    35背理法
1  (7)~A→~B 26条件法
(δ)
1  (1)~A→~B 仮定
 2 (2)    B 仮定
  3(3)~A    仮定
12 (4)   ~B 13前件肯定
123(5) B&~B 24&導入
12 (6) A    35背理法
1  (7) B→ A 26条件法
従って、
(01)により
(02)
(γ)  B→ A=BならばAである   =BはAである。
(δ)~A→~B=AでないならばBでない=A以外はBでない。
に於いて、必ず
(γ)=(δ) である。
従って、
(02)により、
(03)
(α)  A→ B=AならばBである   =AはBである。
(β)~B→~A=BでないならばAでない=B以外はAでない。
に於いて、必ず
(α)=(β) である。
然るに、
(04)
」は必ずしも、「(本当)」ではない。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(α)AはBである  = A→ B
であるからと言って、
(γ)BはAである  = B→ A
(δ)A以外はBでない=~A→~B
であるとは、限らない
然るに、
(06)
① 東京は日本である。
① 東京は日本の首都である。
といふ「命題」は、両方とも、「本当」である。
然るに、
(07)
② 東京日本である。
③ 日本は東京である。
④ 東京以外は日本ではない。
といふ「日本語」は、三つとも、「ウソ」である。
(08)
② 東京日本の首都である。
③ 日本の首都は東京である。
④ 東京以外は日本の首都ではない。
といふ「日本語」は、三つとも、「本当」である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① AはBである。
② Aである。
はAである。
④ A以外はBでない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず
  ②=③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 私は大野です。
② 私大野です。
大野は私です。
④ 私以外は大野ではない
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず
  ②=③=④ である。
然るに、
(11)
② 私x(xは私である)=
② 目前x(xはあなたの目の前にゐる)。
とする。
従って、
(11)により、
(12)
① 私は大野です。
といふ「日本語」は、
① ∃x(目前x&大野x)=
① あるxはあなたの目前にゐるて、そのxは大野である。
といふ「述語論理」に、「翻訳」される。
従って、
(10)(12)により、
(13)
② 私大野です。
といふ「日本語」は、
② ∃x{目前x&大野x&∀y[~(y=x)→~(大野y)]}=
② あるxはあなたの目前にゐて、そのxは大野であって、全てのyについて、yとxが「同じ」でなければ、yは大野ではない。
といふ「述語論理」に、「翻訳」される。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① 私は大野です。
② 私大野です。
といふ「日本語」は、「述語論理」の「観点」からすると、それぞれ、
① ∃x(目前x&大野x)=あるxはあなたの目前にゐるて、そのxは大野である。
② ∃x{目前x&大野x&∀y[~(y=x)→~(大野y)]}=あるxはあなたの目前にゐて、そのxは大野であって、全てのyについて、yとxが「同じ」でなければ、yは大野ではない。
といふ「意味」になる。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は大野です。
② 私大野です。
に於いて、
① には、∀y[~(y=x)→~(大野y)]が無くて、
② には、∀y[~(y=x)→~(大野y)]が有る
然るに、
(16)
(3) 既知と未知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私大野です。
これは、「大野さんどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
 大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(15)(16)により、
(17)
② 大野さんはどちらですか。
といふ「問ひかけ」に対して、
② 私大野です。
といふ風に、「答へ」るならば、
② ∀y[~(y=x)→~(大野y)]=全てのyについて、yとxが「同じ」でなければ、yは大野ではない。
といふ、ことになる。
然るに、
(18)
② ∀y[~(y=x)→~(大野y)]=全てのyについて、yとxが「同じ」でなければ、yは大野ではない。
といふことは、要するに、
② xと「同一人物」でないyは、いかなるyであっても大野ではない。
といふこと、すなはち、
なら大野である(x以外は大野ではない)。
といふ、「意味」である。
従って、
(14)~(18)により、
(19)
② 大野さんはどちらですか。
といふ「問ひかけ」に対しては、
②(なら)私大野です(私以外は大野ではない)。
といふ風に、答へることになる。
然るに、
(20)
【名字】大野
【読み】おおの,おの,おおや,おうの
【全国順位】 71位
全国人数】 およそ222,000人
(名字由来net)
従って、
(19)(20)により、
(21)
②(今、ここには)私以外は大野ではない
といふことは、「事実」であるとしても、
② 大野さんはどちらですか。
といふ「質問」が、全く無いにも拘はらず、
②(なら)私大野です(私以外は大野ではない)。
といふ風に言ふのは、唐突であって、ヲカシイ
然るに、
(22)
【名字】藤井
【読み】ふじい,ふしい,ふぢい
【全国順位】 45位
全国人数】 およそ310,000人
従って、
(22)により、
(23)
全国の大半の「藤井さん」は、「普通の藤井さん」であるが、
藤井総太五段は、「普通の藤井くん」ではない。
従って、
(23)により、
(24)
③「藤井聡太五段、指原莉乃と婚約!」といふのであれば、
③(ならあの中学生棋士の)藤井総太指原莉乃と婚約!
といふ、ことになる。
従って、
(24)により、
(25)
④「マリリンモンローディマジオと結婚!」といふのであれば、
④(ならあの)マリリンモンローディマジオと結婚!
といふ、ことになる。
従って、
(26)
③(他ならぬ、あの中学生棋士の)藤井総太指原莉乃と婚約!
④(他ならぬ、あの)マリリンモンローディマジオと結婚!
⑤(他ならぬ、あの)チャップリン大往生!
といふ、ことになる。
然るに、
(27)
③(他ならぬ、あの)藤井総太
④(他ならぬ、あの)マリリンモンロー
⑤(他ならぬ、あの)チャップリン
といふのであれば、
③(未知なる)藤井総太
④(未知なる)マリリンモンロー
⑤(未知なる)チャップリン
といふことでは、有り得ない。
然るに、
(28)
 マリリンモンローディマジオと結婚!
のような見出しが女性週刊誌を賑わすのは、ガによってその上の体言を未知扱いにし、まったく驚いた、新しい情報だぞ! と読者に迫る手法である。
 あのチャップリン大往生。
のような場合、「あの」がついている以上、未知とはいえないという議論も有りうるが、むしろ既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。
(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、41頁)
然るに、
(29)
既知のものを未知扱いすることによって、驚異を表す表現なのである。」
といふ、大野晋先生の「説明」は、私には、「開き直り」であるとしか、思へない。
平成30年02月12日、毛利太。
コメント (0)
コメントの投稿
前のページ(私は・私が・私も大野です。)
次のページ(『象は鼻が長い。』といふ「日本語」に「主語」は有ります。)
プロフィール

タカ

Author:タカ
写真は蛍雪時代(高三)。この頃に、漢文が好きになりました。

リンク
このブログをリンクに追加する
最近の記事
月別アーカイブ
ブログ内検索
RSSフィード
最近のコメント