象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。 - 返り点に対する「括弧」の用法について提案

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。

(01)
① 象は動物である。然るに、花子は象である。故に、花子は動物である。
② 花子は象である。然るに、象は鼻は長い。 故に、花子といふ鼻の長い象がゐる。
③ 花子は象であり、花子の耳は鼻ではない。 然るに、象は鼻が長い。故に、花子は鼻が長く、耳は長くない。
といふ「推論」は、三つとも「正しい」。
然るに、
(02)
日常言語の文から述語計算の文への翻訳のためには、一般にあたまが柔軟なことが必要である。なんら確定的な規則があるわけではなく、量記号に十分に馴れるまでは、練習を積むことが必要である(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、130頁)。Flexibility of mind is generally required for translating from ordinary speech into sentences of the predicate calculs. No firm rules can be given, and practice is needed before full familiarity with quantifires is reached(E.J.Lemmon, Beginning Logic).
然るに、
(03)
1  (1)∀x{象x→ 動物x} A
1  (2)   象a→ 動物a  1UE
 2 (3)∃x(花子x& 象x) A
  3(4)   花子a& 象a  A
  3(5)        象a  4&E
1 3(6)       動物a  25MPP
  3(7)   花子a      4&E
1 3(8)   花子a&動物a  56&E
1 3(9)∃x(花子x&動物x) 8EI
12 (ア)∃x(花子x&動物x) 23EE
(04)
1   (1)  ∃x(花子x&象x)        A
 2  (2)     花子a&象a         A
  3 (3)  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
  3 (4)     象a→∃y(鼻ya&長y)  3UE
 2  (5)     象a             2&E
 23 (6)        ∃y(鼻ya&長y)  45MPP
   7(7)           鼻ba&長b   A
 2  (8)     花子a            2&E
 2 7(9)     花子a&鼻ba&長b     78&I
 2 7(ア)     花子a&鼻ba&長b&象a  59&I
 2 7(イ)  ∃y{花子a&鼻ya&長y&象a} アEI
 23 (ウ)  ∃y{花子a&鼻ya&長y&象a} 67イEE
 23 (エ)∃x∃y{花子x&鼻yx&長y&象x} ウEI
1 3 (オ)∃x∃y{花子x&鼻yx&長y&象x} 12エEE
(05)
1    (1)∃x{花子x&象x&∃z(耳zx&~鼻zx)}        A
 2   (2)   花子a&象a&∃z(耳za&~鼻za)         A
  3  (3)   花子a&象a&   耳ca&~鼻ca          A  
   4 (4)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A   
   4 (5)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  4UE
  3  (6)   象a                          3&E
  34 (7)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  56MPP
  34 (8)      ∃y(鼻ya&長y)               7&E
    9(9)         鼻ba&長b                A
  34 (ア)                 ∀z(~鼻za→~長z)  7&E
  34 (イ)                    ~鼻ca→~長c   アUE
  3  (ウ)                    ~鼻ca       3&E
  34 (エ)                         ~長c   イウMPP
  3  (オ)   花子a                         3&E
  3 9(カ)   花子a&鼻ba&長b                  9オ&I
  3  (キ)             耳ca               3&E
  3 9(ク)   花子a&鼻ba&長b&耳ca              カキ&I
  349(ケ)   花子a&鼻ba&長b&耳ca&~長c          エク&I
  349(コ)∃z(花子a&鼻ba&長b&耳za&~長z)         ケEI
  349(サ)∃y∃z(花子a&鼻ya&長y&耳za&~長z)       コEI
  349(シ)∃x∃y∃z(花子x&鼻yx&長y&耳zx&~長z)     サEI
  34 (ス)∃x∃y∃z(花子x&鼻yx&長y&耳zx&~長z)     89シEE
 2 4 (セ)∃x∃y∃z(花子x&鼻yx&長y&耳zx&~長z)     23スEE
1  4 (ソ)∃x∃y∃z(花子x&鼻yx&長y&耳zx&~長z)     12セEE
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 象は動物である。然るに、花子は象である。故に、花子は動物である。
② 花子は象である。然るに、象は鼻は長い。 故に、花子といふ鼻の長い象がゐる。
③ 花子は象であり、花子の耳は鼻ではない。 然るに、象は鼻が長い。故に、花子は鼻が長く、耳は長くない。
といふ「推論」は、すなはち、
① ∀x{象x→動物x},∃x(花子x&象x)├ ∃x(花子
② ∃x(花子x&象x),∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}├ ∃x∃y{花子x&鼻yx&長y&象x}
③ ∃x{花子x&象x&∃z(耳zx&~鼻zx)},∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}├ ∃x∃y∃z(花子x&鼻yx&長y&耳zx&~長z)
といふ「推論」は、三つとも「正しい」。
従って、
(06)により、
(07)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
② 象は鼻は長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
③ 象は鼻が長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
それでは、狭義の述語論理において究極的な主語となるものは何であろうか。それは「人間」というような一般的なものではない。また「ソクラテス」も述語になりうるし、「これ」すらも「これとは何か」という問に対して「部屋の隅にある机がこれです」ということができる。そこで私たちは主語を示す変項x、yを文字通りに解釈して、「或るもの」(英語で表現するならば something)とか、「他の或るもの」というような不定代名詞にあたるものを最も基本的な主語とする(沢田充茂、現代論理学入門、1962年、118頁)。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
② 象は鼻は長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
③ 象は鼻が長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① の「主語」も「x」であって、
② の「主語」は「x、y」であって、
③ の「主語」は「x、y、z」である。
然るに、
(10)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
に於いて、
① 象は   =主辞
① 動物である=賓辞
である。
然るに、
(11)
「象は鼻が長い」はどれが主辞かわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、という人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう。これはこのままで、
① 象は 動物である。
と、同じく、
象は 鼻が長い
  主辞  賓 辞
とはっきりしている。つまり日本語として簡単明瞭である。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にわかるはずの文である(三上章、日本語の論理、1963年、13頁改)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
② 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
に於いて、
② 象は  =主辞
② 鼻は長い=賓辞
である。
然るに、
(10)により、
(13)
② 鼻は長い=∃y(鼻yx&長y)。
に於いて、
② 鼻は=主辞
② 長い=賓辞
である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
② 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
に於いて、
② 象は  =主辞
② 鼻は長い=賓辞
であって、
② 鼻は長い=∃y(鼻yx&長y)。
に於いて、
② 鼻は=主辞
② 長い=賓辞
である。
従って、
(14)により、
(15)
② 象は鼻は長い=
② 主辞+賓辞(主辞+賓辞)。
である。
然るに、
(16)
しゅ じ [1] 【主辞】
「主語」に同じ。
ひん じ [1] 【賓辞】
〘論〙 〔predicate〕 ⇒ 述語じゅつご
(weblio辞書)
従って、
(15)(16)により、
(17)
② 象は鼻は長い=
② 主語+述語(主語+述語)=
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
である。
従って、
(17)により、
(18)
② 象は鼻は長い=
② 主語+述語(主語+述語)。
といふ「日本語」は、「二重主語」であって、
② 主語+述語(主語+述語)=
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」も、「二重主語」である。
従って、
(19)
「日本語の特徴の1つ」として、  「二重主語構文がある。」といふのではなく、
「日本語と述語論理の特徴」として、「二重主語構文がある。」といふことになる。
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